さらにカラバッジョを求めポポロ広場へ移動
次はエリアを変えポポロ広場へ。広場北側の玄関となっているポポロ門に隣接して聳えたつサンタ・マリア・デル・ポポロ教会にはカラバッジョの代表作品のひとつである『聖ペトロの磔刑(1600年-1601年)』と『サウロの改宗(1600年-1601年)』の二作品が展示されている。
サウロは後にキリストの重要な使徒となる聖パウロのことだ。ローマの守護聖人である二人がカラバッジョの手によって描かれている貴重な作品である。
“無料カラバッジョ巡り”に実はもう1カ所加えたいところなのだが、現在、修復のため展示されていないのが、骸骨寺の別名を持つ(内部が人骨で装飾されているため)サンタ・マリア・デッラ・コンチェシオーネ教会の『瞑想の聖フランチェスコ(1603年)』。
教会の方曰く、あと1年は戻ってこないのだとか。ただし、イタリア人の言う1年なので2年くらいは覚悟しておいた方がよいかもしれない (苦笑)。
1606年、些細なケンカがもとで殺人を犯してしまったカラバッジョはローマから逃れ、この世を去る1610年までナポリ、シチリア、マルタ島などを転々とする生活を余儀なくされる。
そして、許しを乞うためにローマへ向かう途中、願い叶わず最期を迎えた。血の気が多く、性格破綻者として語られることが多いカラバッジョだが、人格はともかく、その作品が後世になって多くの芸術家たちに影響を与えたことは誰もが認める事実である。
Chiesa di Sant’Agostino (サンタゴスティーノ教会)
Piazza di Sant’Agostino Roma
開館時間 7:45~12:00/16:00~19:30
San Luigi dei Francesi (サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会)
Piazza San Luigi dei Francesi
開館時間 10:00~12:30/15:00~19:00
Santa Maria del Popolo (サンタ・マリア・デル・ポポロ教会)
Piazza del Popolo 12
開館時間 8:00~12:30/16:00~19:00
※各教会のオープン・クローズ時間は変更となる可能性があります。
村本幸枝(むらもとゆきえ)
イタリアでは撮影コーディネートを、日本では東京・中央区で日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰。在伊歴20年ちょっと。現在、年の半分ずつをイタリアと日本で過ごしている
日伊文化交流サロン「アッティコ」:www.attico.net
text&photographs:Yukie Muramoto