香港へ日帰り遠征、その逆パターンも
24時間営業なのはカジノだけではありません。マカオと香港の間を約1時間で結ぶ高速船も24時間運航しています。例えば、マカオ滞在中のうち1日あるいは半日を香港で過ごすこと、またその逆も可能となります。
香港とマカオはセットにして語られがちですが、それぞれ独特の個性を持った魅力的な観光都市です。上述したように、マカオは不夜城ですから、香港滞在中、夕食後に時間を持て余すなら、深夜マカオ入りし、翌朝までIRのショッピングモールやカジノで過ごしてみるのもいいでしょう。香港にはカジノはありませんから。
2018年の上半期には、マカオと香港を海上橋と海底トンネルでつなぐ「港珠澳大橋」が開通予定となっており、より容易に両地の間を往来できるようになる見込みです。
ターボジェット
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夜間の治安は大丈夫?
深夜まで遊べる要素が充実しているといっても、気になるのは治安面です。マフィアが市街地で銃撃戦を繰り広げているといったイメージは映画の中だけで、実際にはマカオにおける凶悪犯罪の発生率は極めて低く、アジアのなかでも日本と並んで治安が良い地域とされています。
21世紀に入って以降、マカオ経済は右肩上がりの成長を続けており、1人あたりGDPではアジアトップクラスとなるなど、たいへん豊かな地域で、多額の現金や高価な品を持ち歩く中国人ギャンブラーの姿も多く見かけます。ただし、スリ、ひったくり、置き引きなどの被害はしばしば報告されており、携行品への気配りが必要です。
このほか、繁華街の路上やカジノ内外で見知らぬ人から中国語で声を掛けられることがありますが、たいてい中国人ギャンブラー向けの融資のキャッチですので、中国語が話せない外国人だとわかれば、向こうの方からすぐに去っていきますから、無視してかまいません。
カジノ施設が多く集まる繁華街周辺の表通りについては、街灯とカジノのネオン、ライトアップで明るく、深夜時間帯でも女性も含めて人通りが多いため、賑やかな雰囲気です。人の少ない場所や、暗い路地に入ったりしないように心がけてください。
カジノ施設内については、もともと窓がなく、時間的な感覚がない場所となりますので、昼でも夜でも雰囲気は大きく変わりません。深夜時間帯の方が昼間よりも人出が多く、盛り上がっていることもあります。また、カジノ施設内外は警察官や警備員の巡回も頻繁に行われています。カジノでは、ゲームに熱中しているうちに携行品への注意がおろそかになりがちですから、注意が必要です。
勝部悠人(かつべ ゆうじん)
大学時代にポルトガル語を専攻。大学卒業後、日本の出版社に入社し、旅行・レジャー分野を中心にムック本の編集を担当したほか、香港・マカオ駐在を経験。2012年にマカオで独立起業し、邦字ニュースメディア「マカオ新聞」を立ち上げ、現地最新トピックを日本市場に向け毎日発信している。
マカオ新聞 http://www.macaushimbun.com/
文・撮影=勝部悠人(マカオ新聞)