キューバにある4種類の国営ビール

 ここで「カヒータ」の食べ方。

「Lechon Asado」は、CRISTAL、Bucaneroと一緒に。

●「カヒータ」の食べ方
(1) 弁当には当然ながら箸がつかない。フォークもスプーンもつかない。
(2) 弁当箱のふたの部分に切り込みがあり、ここを千切っていくと、どうやらスプーンらしきものができる。
(3) 誰もスプーンとは気づかないものができる。
(4) これを使い食べる。
(5) ただし、厚紙なので汁けを吸い、フニャフニャになって、便利というより、かなり食べづらい。
(6) 大食いや早食いの人は、矯正用にぜひ取り入れてほしい。
(7) それでも頑張って食べたが、途中で断念し、インド人になって手で食べた。

 地元の人は器用に紙スプーンで食べているか、手で猛然と食べているかである。この紙スプーンの切り込みは以前はなかったと聞く。進歩なのである。

 さて、食べ終われば、箱は紙なのでそのまま廃棄。実にエコなのである。

 ここでキューバのビール事情も説明しよう。

 キューバには4種類の国営ビールがある。よく見かけるのは2種類で、CRISTAL(クリスタル)とBucanero(ブカネロ)である。

 値段はおよそ1CUC(1兌換ペソ=100~160円)でアルコール度数は4.9%。ピルスナータイプのCRISTALの方は実に軽く、Bucaneroはコクがある。昼ならCRISTAL、夜ならBucaneroである。

バハマではあまり見かけないのが、MayabeとCacique。

 あとはハバナ市内ではなかなか置いていないが、Mayabe(マヤベ)とCacique(カシーケ)。

 Mayabe(マヤベ)のアルコール度数は4%と低く、軽い飲み口である。値段は約70円と、外国人向けビールと比べて2割以上も安い。

 Cacique(カシーケ)値段はMayabeより若干高く、約80円。アルコール度数は4.5%。こちらも飲み口は軽いが、ホップの香りがあっておすすめ。見つけたら是非頼みたい。

<キューバ>

2016年7月にアメリカとの国交が回復し、今後、急速にアメリカ化されると期待する観光関係者が多いため、マクドナルドやコカコーラのないキューバを知りたいなら、早く行ったほうがいい。

現在、直行便はなく、トロントやメキシコを経由していくことになる。公用語はスペイン語だが、英語もなんとか通じる。現地での移動はタクシーが無難。レンタカーもあるが、予約をしておかないで現地での調達は困難といわれる。

治安は想像よりはいいという人が多い。

マッキー牧元(まっきー・まきもと)
1955年東京出身。立教大学卒。(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く。「味の手帖」 「銀座百点」「料理王国」「東京カレンダー」「食楽」他で連載のほか、料理開発なども行う。著書に『東京 食のお作法』(文藝春秋)、『間違いだらけの鍋奉行』(講談社)、『ポテサラ酒場』(監修/辰巳出版)ほか。

Column

マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く「タベアルキスト」のマッキー牧元さんが、旅の中で出会った美味をご紹介。ガイドブックには載っていない口コミ情報が満載です。

2016.12.08(木)
文・撮影=マッキー牧元