本格ビーガンレストランに猫がいる理由

カウンターの横にある階段を上ると2階席に。

 オーナーのヴァレンティーナは自身も7年前からビーガンなのだそう。当時はビーガンという言葉さえ一般に浸透していなく、ベジタリアンとよく一緒くたにされたと言う。ちなみにベジタリアンはチーズ、ヨーグルト、卵などの乳製品は食するが、ビーガンはいっさいの動物性食物を口にしない。当然のことながら外食できる場所はほとんどなかった。では、自分で店をつくろうと、パートナーのマウリツィオと共に2014年にオープンしたのが「Romeow Cat Bistrot」だったわけだ。

自家製の豆乳チーズケーキとハーブティー。スイーツ、お茶ともに種類が豊富。

 「猫は後からついてきたの」と語るヴァレンティーナ。猫派の彼女は保健所に保護されている子猫を数匹引き取って、当時、改装工事中だった店の中で保護していたら、そのうち猫がいついてしまい、現在の店の形になったのだとか。ビーガンは動物好きが多いからアイデアとしてはぴったりなのかもしれない。だからと言って、過剰に猫を可愛がる客がいるわけでもなく、人間と猫が互いに邪魔することなく同じ空間を共有している感じがとても心地よい。次回はぜひディナーを試してみたいと思う。

ティータイムとアペリティフタイムのみ開放される2階の空間は個人宅のリビングルームのよう。
テーブルに置かれている塗り絵。猫がいる空間で塗り絵をしながら癒しのひととき過ごす客も多い。

Romeow Cat Bistrot(ロメオウ・キャット・ビストロ)
所在地 Via Francesco Negri, 15 Roma
電話番号 06-5728-9203
営業時間 11:00~23:30(ランチ 13:00~15:30、アペリティフ 18:00~19:30、ディナー 20:00~23:30、それ以外はティータイム)
定休日 月・火曜
URL http://www.romeowcatbistrot.com/
※自転車で来店の人、ローマ市外からの人は10%割引あり

村本幸枝 (むらもとゆきえ)
株式会社アッティコ代表。1986年、はじめてイタリアへ渡る。その3年後、ローマに移住。現在は東京と自宅のあるローマ郊外ブラッチャーノ湖の湖畔で年の半分ずつを過ごしながら、イタリアではTV・雑誌の撮影およびイベント・企業視察のコーディネートを手がけ、東京中央区では日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰し、イタリア関連の講座・イベント・セミナーを開催している。
日伊文化交流サロン「アッティコ」:http://www.attico.net/

Column

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文・撮影=村本幸枝(アッティコ)