名物の花蟹の紹興酒蒸し。添えられた腸粉は、蟹のダシを余すところなく吸うように特注したもの。頰張ると口の中ですべての旨みが一気に弾ける。 時価。 インスタ映え全盛の今、盛り付けに時間をかける店も多いが、この店が大切にしているのは出来あがった瞬間の美味しさ。ラードで包み揚げにした蟹肉は、揚げたて熱々のサクサクした食感が楽しい。 ダニー・イップさん。香港、オーストラリア、京都の3カ所に拠点を構えて世界を飛び回る。日本料理にも造詣が深い。新聞にペンネームで連載している食のコラムも注目されている。 お米一粒一粒に、自家製の調味料がしっかり絡む。 熱さと冷たさ、甘さと塩味など緩急をつけたコースの流れも見事。八角風味の小イカはひんやりした口当たり。 香港産の豚のスペアリブ、魚のダシで煮込んだ青菜、チャーハン。 熱々を頰張りたい、大班樓のマテ貝の春雨蒸し。20年熟成させた塩漬けレモンの香りとともに。 デザートはシンプルだが、上品でやさしい味わい。左からサンザシのゼリー寄せ、赤ナツメのプリン、杏仁スープ。 記事を読む