左:シチリア伝統菓子の代表のようになっている「カンノーリ」(イタリア語では単数形Cannoloカンノーロ、2個以上でCannoliカンノーリとなる)は、バディア・ヌオヴァ修道院の謝肉祭の伝統菓子。 右:知られざるパレルモ伝統菓子「フェッデ・デル・カンチェッリエレ」は、カンチェッリエレ修道院発。 サンタ・テレーザ修道院の「カッサータ・フレッダ」(カッサータ・シチリアーナ)。果物の砂糖漬けを飾ったスタイルは、19世紀末のパレルモ人菓子職人によるもの。奥は、「ミンネ・ディ・ヴェルジネ」(処女の乳房の意味)でヴェルジニ修道院の得意菓子。なお、島西部の美しい村(?)サンブーカ・ディ・シチリアでは、1725年にヴィルジニア・カサーレ修道女による発案とされている。 アーモンド・パウダーで作る「フルッタ・マルトラーナ」。サンタ・カテリーナ教会向かいにあるマルトラーナ修道院が発祥の「万霊節・死者の日(11月2日)」のお菓子。王様や枢機卿の訪問があった時、落葉した木々を飾るために発明されたと言われている。 スティンマーテ・ディ・サンフランチェスコ修道院のお菓子「スフィンチ」(スポンジの意味)。修道女は、貴族階層出身者のみの修道院。地味だがフワフワして高貴な味。 13世紀に基礎ができたサンタ・カテリーナ教会。現在の教会は1596年に完成。シチリアン・バロックで飾られた壮麗な内観。 クラウズーラの修道院が併設され、修道女は一般信者に顔が見られないよう鉄製の格子窓越しにミサに参加していた。 翼廊にある「ルオータ・デル・オッフェルタ」(寄付の回転式受付口)。外部の人間との直接的な接触ができないため、寄付や供物などを載せて回転させ受け取っていた。育てられない赤ちゃんの受付窓口になっていた教会もある。 パレルモ旧市街の中心地プレトリア広場に面して建つサンタ・カテリーナ教会(奥)。右手はパレルモ市庁舎。 ヴェルジニ修道院の幻のパレルモ伝統菓子「トリオンフォ・デル・ゴーラ」。90歳オーバーの修道女ジュゼッピーナさんによって完全再現。マリアさんによればネット上に散見されるレシピとはだいぶ異なるとか。ジュゼッペ・トンマージ・ディ・ランペドゥーサの名作小説「山猫」にも登場するお菓子。 記事を読む