旅には、凝り固まっていたアタマや体を解きほぐし、五感を研ぎ澄ましてくれる力がある。日常を忙しくしているからこそ、旅という非日常に、心地よい刺激と寛ぎを求めよう。

アジア各地のスパ巡りは異文化の刺激と癒しに満ちて

 私が旅に出たくなるのは視野が狭くなってきたと思う時。日本に入ってくる情報は似通っていて視点も偏りがちです。それは美容の分野も同じ。美容大国ニッポンにいれば、国内を飛びかう情報を追うだけでも十分満たされます。でも次第にそれだけでは新鮮さが足りなくなり、新しい美との出合いを求めて外に出たくなるのです。

 それとは矛盾しますが、もうひとつ、旅に求める目的は放電です。放電とは充電の反対。日ごろ入りすぎている刺激や情報をすべて解き放って空っぽにする行為。さて、視野は広げたいし放電もしたい人はどのような旅をすればよい!? と試行錯誤した末の答えのひとつが、アジア各地のスパ巡りでした。

 アジアには各地に伝来のマッサージやケア法があります。それぞれ成り立ちが違い、手技や使うツール、素材も異なります。たとえば、王宮を持っていたジャワでは、王妃が出産後も王の寵愛を失わないための秘伝のボディケアが語り継がれています。バリには、花嫁が嫁ぐ前の清めの儀式にミルク風呂で体を洗う伝統があり、タイでは、薬草を蒸した温湿布が兵士の傷の治療に用いられてきました。

 こうした歴史や文化に根ざしたケアとの出合いは、異なる文化や価値観を知ることでもあり、思い切り目が見開かれる気がします。また一方、実際に施術を受けて癒やされるひとときは待望の放電タイム。というわけで、未踏のスパを巡る旅は、相反する二つの要望が同時にかなう理想的な旅なのです。

 後づけで気づいたのですがアジア旅を極めるなら、直行ではなく香港乗り換えがベター。いったん香港に着けば、アジアの各地は、超近距離フライトです。香港で少し休憩後に移動すれば、現地到着は、ちょうどホテルのチェックイン準備ができているころ。待たされずにすぐ部屋に入れます。また、各所をホッピングした帰り道に香港に寄るのも、実は旅の大事なプロセス。街に出てあえて喧噪に身を置くことで、スパ旅で緩みすぎた感覚を都会の日常リズムに戻す微調整ができてしまうのです。

渡辺佳子(わたなべ・けいこ)
美容ジャーナリスト。広い視野に基づく斬新な切り口で約30年にわたり美容記事を制作し続けるなど、多方面で活躍。最新の美容情報はインスタグラムで発信中。
Instagram URL https://www.instagram.com/twi_tkmk/


より快適に旅するために移動手段にこそこだわりたい

シンプルながらも温かみのある新しい機体デザインが登場。

 旅の思い出をよりよいものにするために快適なエアライン選びは欠かせない。そこで注目したいのが、キャセイパシフィック航空グループだ。東京(羽田・成田)、大阪、名古屋、福岡、札幌、沖縄、広島の7都市8空港から香港へ毎日20便以上を運航。2014年12月の羽田空港における「キャセイパシフィック・ラウンジ」オープンをかわ切りに、世界各地の空港に新ブランドコンセプトによるラウンジを順次開設、リニューアルオープンし、スタイリッシュで高級感のある空間でゲストに寛ぎを提供。

羽田空港のラウンジには「ザ・ヌードル・バー」や「フード・バー」を併設。

「心からのおもてなし」をモットーにアジアを代表するエアラインとして質の高いサービスを誇っている。

キャセイパシフィック航空が提案する「Life Well Travelled」

● Family(ファミリー)

● Miss Adventure(ミスアドベンチャー)

● Road Warrior(企業戦士)

【問い合わせ先】
キャセイパシフィック航空

グローバルコンタクトセンター
フリーダイヤル 0120-46-3838(日本国内9:00~17:30 日曜・祝日休)

URL http://www.cathaypacific.co.jp/lifewelltravelled/
Facebook https://www.facebook.com/cathaypacificJP/
Twitter https://twitter.com/jpcathaypacific

Feature

人生を彩る旅物語

text=Keiko Watanabe
photographs=Yuji Ono