旅は気持ちをオープンにし、新たな世界観をもたらす、人生を輝かせるかけがえのないエッセンス。そこには濃やかなもてなしに心を共鳴させる私たちだから選び取ることができる、上質な体験があります。
異国でのもてなしに触れるたび豊かになる心
旅先では一杯のお茶が、ドラマを運んできます。
朝焼けの中、ミントブルーのラグーンに囲まれた楽園リゾートでバトラーが運んできたフレーバーティーのみずみずしさは、贅沢なヴァカンスへの心躍る幕開け。肉体の限界にチャレンジする過酷なアドベンチャーの途中、くじけそうな心と体を温めてくれたのは、ガイドが淹れてくれた濃くて甘いミルクティーでした。電気も水道もない孤高の僧院で出された欠けた茶碗のバター茶には、すべてを与える僧侶たちの信念が溶け込み、手のひらで包み込んだ存在の重さに思わず涙。そこに込められているのは旅する者を思い、もてなすという人の温もりに他なりません。
ロンドンのとある一流ホテルでのこと。予約をしないでアフタヌーンティーに訪れた友人と私は、素敵な紳士に席を譲られたことがあります。友人はこのとき和服姿。それを見て「こんな美しい着物のご婦人たちにここの素晴らしいお茶とスコーンを味わっていただかないで帰すことはできません」と。後でホテルのスタッフが耳元で、「先ほどの方はバッキンガム宮殿で女王陛下に仕えていらっしゃるのですよ」とささやいた。ホテルへの敬意としてドレスコードに着物を選んだ友人の思いを、この紳士は感じ取ったのかもしれません。
旅を重ねていくごとに深まるのは、感謝の気持ちと旅人としての品格。異国でのもてなしと思いやりを受けるたびに気持ちは豊かになり、その土地や場所、出会った人たちへの愛情が思い出となって刻まれていきます。そんなきめの細かい旅の肌触りを感じるのは、森羅万象を愛するアジアの人間だからでしょうか。もし、そうであるのならば、私たちの中には旅する喜びを育んでいく「心」が宿っているのだと思います。
新しい目的地へ向かう高揚感と、慣れ親しんだ空間でのやすらぎ。それは人生を豊かにするもの。だから私たちは旅を続けていきます。一杯のお茶とほほ笑みとともに投げかけられる「Welcome」という言葉に出合うために。
寺田直子(てらだ・なおこ)
トラベルジャーナリスト。年間約150日、国内外のホテル、リゾートを取材。独自の視点とトレンドを押さえた斬新な切り口に定評。近著に『泣くために旅に出よう』(実業之日本社)がある。
より良い旅の第一歩はエアライン選びから
キャセイパシフィック航空は東京(羽田・成田)、大阪、名古屋、福岡、札幌、沖縄の6都市7空港から香港へ毎日20便以上を運航。「心からのおもてなし」をモットーにアジアを代表するエアラインとして質の高いサービスを誇ります。
2014年12月には羽田に「キャセイパシフィック・ラウンジ」を開設。スタイリッシュで高級感のある空間はゲストにくつろぎを提供。運営はホテルオークラグループが担当し、香港国際空港で人気の「ザ・ヌードル・バー」を併設するほか、デリスタイルの「フード・バー」も話題です。
キャセイパシフィック航空が提案する「Life Well Travelled」
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text=Naoko Terada
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