(3) Airbnbでよい物件を探すには

 Airbnbは都市や地図、価格帯で物件を絞り込めます。海外での利用時に重要なのはWi-Fiの有無、ホストとのコミュニケーションを重視したいのなら部屋の間借り、プライバシーを確保したいのなら一棟借りがおすすめです。

 女性の一人旅の場合、女性ホストの物件を選んで利用することもできます。いずれにしても知らない外国人の個人宅に泊まるので不安だと思われるかもしれません。そんなときに役立つのがこれまでに泊まった人のレビュー。これがある程度蓄積され、高評価であれば、信頼性は高まります。

パリジャンの生活が垣間見られるのも魅力。

 また、パリやニューヨークといった大都市では、物件の数が多すぎて途方にくれることもあります。こういうときにおすすめなのが、自分の行動パターンにあわせ、ロケーションで物件を決めること。

 今年8月にパリでAirbnbを利用した際は、到着日に行くことを決めていたレストランLe Chateaubriand(外部サイト)のすぐ近くに決めました。到着日はAirbnbに荷物を置き、レストランまで歩いて数分なので時間を節約できましたし、次の日の朝は、飯倉にも出店して話題のメゾン・ランドゥメンヌ(外部サイト)でパン、近くのグロッサリーで搾りたてのオレンジジュースを買い、Airbnbのテラスで朝食をとりました。これで2部屋とリビングルームがつき、1泊7,200円でした。

(4) ホストとはどうやって会う?

 ホテルとくらべてAirbnbがやっかいだと感じるのは、物件の場所が分かりづらいことでしょう。ホテルのように看板はないし、近所の人に聞いてもまず分かりません。あらかじめGoogle Mapやストリートビューなども活用して、自分のたどりつく場所の情報を集めておきましょう。また、集合住宅の場合、あらかじめ玄関の暗証番号を入力しなければならないことも。現地で分からなかったときに電話連絡やSMSでやりとりが必要なこともあります。

(5) Airbnbのウィークポイントは?

 Airbnbをホテルとくらべた場合、どのような欠点や難しい点があるのでしょうか。

左:コッツウォルズのマナーハウスの内装。もともとは狩猟用のロッジとして14世紀に建てられた。(外部リンク)
右:コッツウォルズのマナーハウスのベッドルーム。ホテル並みの美しい部屋だったが、クローゼットにはホストの衣装がびっしり。

 1つ目は言葉の壁。Airbnbのやりとりの多くは英語。もっともたいていの場合は、自分の到着予定時間や携帯電話の番号を伝える程度でもかまいません。

 2つ目は鍵の受け渡しが必要になることなどから、夜中のチェックイン、また、事前にチェックインの時間が読めない場合、利用がむずかしいこと(チェックアウトはたいていの場合融通がきき、翌日の予約が入っていなければ夕方まで使っていいといわれることも多い)。

 3つ目は、ふだん人が生活しているところに泊まるので、生活臭が感じられること。たとえば前述したコッツウォルズのマナーハウスのベッドルームはホテル並みに美しく清掃されていましたが、クローゼットをあけるとホストの衣装がびっしり。こういったところがあまり受け入れられないという人もいるかもしれません。その点、都市部の高層レジデンスや郊外の別荘などはふだん使っていない物件が多いのでおすすめできます。

2015.11.16(月)
文=橋賀秀紀