カッパドキアで過ごす贅沢な時間

カッパドキアの景色と和の陶磁器とコーヒー、という意外な組み合わせがしっくりくる。

 ホテルの前には、カッパドキアの絶景が広がる。天気のいい朝ならば、色とりどりの気球がカッパドキアの奇岩上をぷかぷかと浮かんでいるので、オープンカフェでコーヒーをいただきながらそんな景色を眺めるのもまた癒しのひととき。ちなみにこのホテルで使われているコーヒードリッパー&カップは、トルコで活躍する陶芸家、山下鉄平氏(外部リンク)による作品だ。自然の色を生かした和のコーヒーカップが、不思議とカッパドキアの景色になじんでいる。

ホテルのシンボルとなっている彫刻「飛躍」。彫刻家・安部氏は、この作品のためにマイナス20度の寒さのカッパドキアで1カ月間、製作活動を敢行した。

 また、ホテルの入り口には日本人彫刻家、安部大雅氏(外部リンク)が作った大理石の作品が鎮座しており、地域住民にも“彫刻のあるホテル”として親しまれている。天にそびえる2つのプロペラのようなオブジェは、このホテルの飛躍を願って安部氏が特別に作成してくれたのだという。

左:外にあるレストランはガラス張りで解放感があり、天気のいい日は居心地のいい空間。
右:このホテルのレストランも有名で、わざわざ食事のためだけに訪れる人も少なくない。

 「このホテル建設にあたっては、本当に色々な人に助けてもらっています」とアルペル氏はいう。「特に日本の方々にはね。だから私も、このホテルにはぜひ日本の方々に来てもらいたい、と願っているんです」。

冬のカッパドキアも情緒深い。カンヌ最高賞のパルムドールをとったヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の映画『雪の轍(わだち)』を思わせる。

 カッパドキアのプチラグジュアリーな洞窟ホテルで、ゆったり大人時間を過ごす……。そんな旅もまた、ぜいたくでいいかもしれない。

Millstone Cave Suites(ミルストーン・ケイブ・スイーツ)
所在地 Tekelli Mahallesi, Divanlı Sokak, No:20, Uçhisar, Nevşehir
アクセス ネブシェヒル空港から車で30分、カイセリ空港から車で1時間
     (どちらもイスタンブールから飛行機で約1時間15分)
電話番号 0384-219-2288
URL http://www.millstonecavesuites.com/

安尾 亜紀 (やすお あき)
イスタンブール在住。イスタンブール大学大学院女性学研究所卒。女性誌や料理誌、報道関係まで幅広い分野でライター・コーディネーターを担当。トルコの「おいしい・楽しい・新しい」を中心に、All Aboutトルコ・イスタンブールでも情報発信中。

 

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文・撮影=安尾亜紀