エッジーな写真家ならではの視点がユニーク

日本最古の湯といわれる湯の峰温泉は、歌舞伎などでもおなじみの小栗判官がじっくり湯に浸かり、蘇生した地としても知られる。(C) Jimmy Ming Shum

 ジミー・ミン・シュン氏は、現在、香港、台湾、そして中国といった中華圏において最も熱い注目を浴びる若手写真家の一人だ。

 サンフランシスコおよびニューヨークで写真を学んだ後、グローバルな活躍を開始。近年では日本での活動も目覚ましく、13年には台湾で写真集『G 郷ひろみ』を撮り下ろす他、松山ケンイチ、松田龍平、中村獅童といった俳優の撮影も手がけている。

 そのオリジナルな視点からとらえられた写真の数々は、新鮮この上ない発見に満ちている。

 1000年もの昔から、人々は来世を願い、再生を賭け、熊野古道を歩いてきた。時を経て、今、熊野の地を去る若者がいる一方で、この地の魅力に引き寄せられて移り住む人々、訪れる人々がいる。その結果、町には小さな新陳代謝が起きているという。多様な価値観を持った人々が、互いに影響を与えながらコミュニティに新風を吹き込む様子は、非常に興味深い。

 道が人をつなぎ、人が未来を創る――。

 日本の町や村がどうあるべきか、どこへ向かうべきか、この写真展には、そのヒントが隠されているかもしれない。

「世界遺産のあるまち~田辺」
会期 2014年4月16日(水)~23日(水)
会場 渋谷ヒカリエ8階 CUBE 1,2,3
所在地 東京都渋谷区渋谷2-21-1
電話番号 03-6418-4718
URL http://www.city.tanabe.lg.jp/kikaku/photo_exhibition.html
開場時間 11:00~20:00(23日のみ11:00~16:00)
休館日 無休
入場料 無料

2014.04.11(金)