目にも美しく、心を踊らせる絶品メニュー

魚料理「金目鯛のヴァプール・グリーンアスパラガス・ソースミカド」。

 さて、「シグネチャー」のお料理はランチ・ディナーともにコースで、内容は季節がわり。今回このページに掲載している写真は、冷前菜・スープ・魚料理・肉料理・チーズ・デザートからなるランチコース「ル モンド」(9,000円 税込・サ別)のなかのお料理です。

 まるでデザートのような華やかさのフォアグラのテリーヌには、実際にジェノワーズ(スポンジケーキ生地)やメレンゲといったデザート的な素材が使われていますが、甘さが立つわけではなく、ビーツと梅の自然な甘味・酸味が調和した、見事なフォアグラ料理となっています。そして「ポロ葱のスープ・ラヴィオリ トリュフ・リコッタ・帆立貝」に続き、魚料理の「金目鯛のヴァプール・グリーンアスパラガス・ソースミカド」が登場。アスパラガスのスライスでウロコを表現した金目鯛に、別添えの黄色い「ソースミカド」をかけると、まるで花が咲いたようにお皿の中が華やぎます。ソースミカドはタンジェリン(みかん)と卵黄、クリームを使ってふんわりと仕上げた古典的なソース。タンジェリンのほのかな酸味を生かしたまろやかさの中にソースが、金目鯛の旨味を引き立て、キャビアの塩気が全体の印象を引き締めます。そして、「金目鯛の美味しさをフランス人シェフが表現するとこうなるのですね!」と、驚かせてくれます。

「ウサギの背肉とモモ肉・マスタードのクルート・ポテトのムースリーヌ」。

 肉料理は「仔牛のブランケット・スペッツェ・マッシュルーム」または「ウサギの背肉とモモ肉・マスタードのクルート・ポテトのムースリーヌ」の二択ですが、おすすめはウサギ。ウサギは日本では馴染みのない食材ですが、淡白であっさりした味わいの白身肉。そのさまざまな部位を、各部位にもっとも適した調理法で楽しませてくれる一皿は、ウサギ初心者にこそおすすめです。レバーはソテー、フィレはロースト、脇腹はコンフィ(低温の油で揚げ焼きにしたもの)、モモと肩の煮込みはクレピネット(網脂で包んで焼いたもの)でと、異なる調理法で仕上げたウサギに寄り添うのは、ウサギが好むニンジンとマスタードソース。パリではウサギ料理に決まって付け合わせられる、ポテトのピュレも別皿で供されます。

 季節感を取り入れてシーズンごとに変化するメニューは、目にも美しく、心を踊らせるもの。大きな窓から東京を一望しつつ、最先端のフランス料理をいただく。そんな至福の時間を堪能すれば、乾いた肌に美容液が染み込むように、心が豊かに潤います。

シグネチャー
URL http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/fine-dining/signature/
所在地 東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリン オリエンタル 東京37階
電話番号 0120-806-823 (9:00~21:00)
営業時間 11:30~14:30、18:00~22:00 火曜日定休(祝日を除く)
メニュー ランチ平日5,500円~ 土日祝7,000円~、ディナー16,000円~(税込・サ別)

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小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの“キレイになれる”レストラン

食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。

2014.02.21(金)
文・撮影=小松めぐみ