今月5日、宮内庁・楽部による「雅楽演奏会」が3年半ぶりに催された。愛子さまは自らの希望で会に臨み、佳子さまと共に音色や舞を楽しまれた。

「愛子内親王殿下は、学習院大学で『源氏物語』などの古典文学を勉強されています。当時の時代背景を深く理解するためにも、ご自身の目と耳で雅楽に触れたいと思われたのでしょう」(元宮内庁勤務の皇室解説者・山下晋司氏)

『源氏物語』を彩る花のひとつが梅。愛子さまは白梅を思わせる淡いピンク、佳子さまは紅梅のような赤いアンサンブルでお出ましになった。

「お二人が並ぶ姿は貴重ですね。幼い頃にはよく遊ばれていましたし、演奏会でもにこやかに会話されていました。愛子内親王殿下はしとやかで自然体なご様子、佳子内親王殿下の姿勢からは凜々しさが漂っていました」(同前)

「襟」に表れていた“お二人の個性”

 個性は「襟」にも表れていると歴史文化学研究者の青木淳子氏は指摘する。

 

「愛子さまは成年式や会見と同じくテーラードカラーです。雅子さまがよくお召しになっているデザインで、お母様への尊敬のお気持ちと品格が感じられます。丸みを帯びた襟先も愛子さまの柔和な雰囲気によくお似合いです。

 佳子さまのローカラーとパールのネックレスは愛子さまよりややカジュアルで“一歩引いた”印象です。華やかな赤は、雅楽の演目『陵王』の装束と合わせたのかもしれません」

 平安時代、宮中に咲く梅の花も聞いたであろう調べに、お二人の顔もほころんでいた。

写真提供 JMPA

2022.11.22(火)
文=「週刊文春」編集部