小笠原×アートに着目。小笠原をテーマにした画家の展覧会を開催

 歴史をテーマにした「ORBⅢ」では、様々な視点から小笠原の歩んできた道をクローズアップ。その中で、この島を1920年に訪れたロシア未来派の画家ダヴィド・ブルリュークを紹介しています。当時アーティストの間では、タヒチを終の棲家に選んだゴーギャンの生き方に憧れる時流。ブルリュークの小笠原を描いた作品からは、南洋のしっとりとした空気感や島の暮らしが伝わってきます。

 ルディさんは、ブルリュークと共に島を訪れた弟子のチェコ人画家のフィアラに着目。彼の展覧会を企画しました。ほとんど無名だったフィアラを調べ、関係者に交渉し、レプリカながら小笠原にまつわる作品を集めて島へと運搬。準備万端だったところに2020年、コロナ禍……。2021年、行動制限の谷間に展覧会は敢行したものの、諸事情から観光客がいない期間のみ。でも、300人の島民が来場しました。「島の人に見てもらうことが一番大切」と、ルディさん。

小笠原の「タコノ葉細工」を知っていますか?

 また、シェアハウス海では丸まった葉っぱがバイクなどにひっかけてあったのですが、それはタコノ葉細工の材料であったことが判明。小笠原タコノハ作家takonohaの則武陽子さんが同宿でした。

 タコノ葉細工とは、パイナップルのような実をつける海辺の樹木“タコノキ”の葉を編んだ工芸品。ちなみに、タコノキは「小笠原の木」にも指定されています。タコノ葉細工は手なじみがよくて、ちょっとくらい潰しても大丈夫、使っていくとツヤが出て、いい味わいになっていくのが魅力だと、陽子さん。

 陽子さんがはじめてタコノ葉細工に出会ったのは、6年前の母島にて。民宿で持たせてもらったお弁当箱がタコノ葉細工でした。その使いやすさに魅了されたものの、入手が困難。作り手が少なく、消えていってしまいそうなタコノ葉細工、帰ってからも小笠原のことが頭から離れない日々、生き方を考え直すタイミング……。それらが重なり、「タコノ葉細工の作り手になろう!」と決意。

 今は夏にロングステイを行いながら、修業中です。

2022.08.27(土)
文・撮影=古関千恵子