ぐるりと海に囲まれた千葉県・房総半島は、黒潮の影響を受ける海洋性の気候で冬でも温暖。

 東京アクアラインを利用すれば川崎から木更津まで車で約30分(ETC利用割引料金800円、通常料金3,140円)、東京湾フェリーを利用するなら横須賀港から金谷港まで約40分(片道800円、往復1,450円)で到着するアクセスのよさから、日帰りでも1泊でも行きやすい人気のリゾートだ。

 海の幸はもちろん、大正時代から続く老舗パン屋、廃校ピッツェリアまで、訪ねたいグルメが目白押し! そんな魅惑の房総半島のうまいもんをご紹介。


太陽をたっぷり浴びたみかんが食べ放題

 みかんの産地といえば、和歌山、愛媛、静岡などが思い浮かぶが、南房総も日当たりのいい傾斜地が多く、温州みかんの栽培が盛んな地域。

 南房総で採れる温州みかんは「房州(ぼうしゅう)みかん」と呼ばれ、甘みと酸味のバランスのよさが特徴。なかでも里見八犬伝発祥の地にちなんで名づけられた「伏姫(ふせひめ)みかん」は、10〜12月いっぱい味わえる「早生(わせ)」のみかんで、味が濃く人気が高い。「興津」や「宮川」という品種で、みかんの内皮が薄く食べやすいのも魅力の一つだ。

 この日訪れたのは、里山の斜面にみかん畑が広がる「須賀園」。太陽の恵みを浴びて、たっぷりと甘さを蓄えたみずみずしいみかんを、30分間の食べ放題で味わうことができる。

 農園に着くと、まずは4代目の須賀祐介さんがみかん狩りについて解説してくれた。

「小ぶりで、枝の先っぽに1つだけついているのがおいしいですよ」

たわわに実ったみかんはどれもおいしそう! その年によってみかんの出来は違うけれど、今年は豊作だそう。触った感じが柔らかいものは完熟しているが、持ち帰るのであれば少し固めを選ぼう。

 園内ではその場で皮をむいてバクバク食べてOK。持ち帰る場合は袋を1枚500円で購入できる。

 祐介さんの曽祖父の代から100年ほど続く農園だが、ホームページなどもなく、知る人ぞ知る農園。訪問時は予約してから行くのがおすすめ。

 場所は「道の駅富楽里とみやま」から車で約4分。国道89号線からみかん狩りの看板を左折して進むと到着する。みかん狩りの時期は10月下旬〜12月末まで。

須賀園

所在地 千葉県南房総市吉沢38
電話 090-3515-6694
営業時間 9:00〜16:00
定休日 期間中なし
料金 大人400円、子ども300円

2021.12.21(火)
文・撮影=野添ちかこ