少しでも早く帰宅するため通勤ルートもチェック

 出勤時・退勤時での被災や、少しでも早く自宅に戻ることを考え、オフィスの中だけではなく、通勤ルートもしっかりチェックしておきましょう。災害時には、ブロック塀が倒れたり、水が溢れたりして、いつもの道が使えない場合もあります。リスクのありそうな場所は事前に確認をしておくのがベター。

 また、交通手段がストップし、徒歩で帰宅しなければならない場合も考えられます。飲み水も確保できない可能性を考え、通勤ルートの自動販売機を確認! 中には、「災害救援ベンダー」といって、緊急事態の停電時、キー操作や専用ハンドルを回すことで電力を補い、飲料品を無償提供してくれる自動販売機や、Wi-Fi通信環境を無料提供してくれるタイプのものがあります。知っておくと、かなり心強いですよね。明日は、災害救援ベンダーマークを探しながら通勤してみては?

離れて被災した時のために家族で避難計画を共有

 一方、共働き世帯のワーキングママとしては、日中離れて過ごす子どものことが何より心配なはず。普段からどんな対策をとっておくことが必要なのでしょうか。

 まず重要なのが、いざという時に代わって保育園へお迎えに行ってもらったり、自宅で一時預かったりといったご近所サポーターを見つけておくこと。仲良しのママ友、近所の方、近くに住む祖父母など、非常時の対応を頼める人を決め、困ったときには互いに支え合えるようにします。

「『何かあったらママの代わりに○○さんが迎えに来てくれるからね』と、しっかり子どもにも伝えて理解させておくことも必要です」

 災害が起こっても親がすぐに帰宅できない場合の避難行動計画を、平時から家族で共有しておくのがおすすめだと辻さん。

「子どもが一人で考えて行動するのはまず無理。予め順番を追ったフローチャートを作っておくとよいでしょう。また、万が一子どもだけで自宅待機しなければならなくなった場合を考え、普段から懐中電灯や備蓄品などが置いてある場所は教えておくこと。家族みんなが家の中のものを把握しているだけでも、災害時に父親や母親の負担はだいぶ減ります」

 毎日のお手伝いや会話の中から、子どもたちは家の中にどんなものがあるか、どこにあるのか、どんな使い方をするのかを覚えていくもの。「試しに災害用トイレを作ってみるとか、避難所へのルートを歩いてみるとか、家族一緒にいろんなことを体験しておくといいですね。コロナ禍で自宅にいる時間が長いこの時期が、家族で防災を考えるいいチャンスになると思いますよ」と辻さん。

【コラム】

被災状況や家族の安否の確認など、災害時に最も大切になるものの一つが情報。災害直後は電話やメールがつながりにくくなり、SNSやLINEのほうが機能する場合もあります。大規模災害時には「00000JAPAN」という無料のWi-Fiが立ち上がりますので、覚えておくと◯。また、NTTの災害伝言ダイヤル#171も有効な連絡手段ですが、家族や会社の仲間など、グループ単位で事前にパスワードを設定しておく必要があります。これも事前に必ず準備を!

災害用伝言ダイヤル(171)
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/

2021.09.30(木)
取材・文=張替裕子(giraffe)