「CREA Traveller」2021年夏号の特集は、「2021年 日本の島旅へ」。

 島ごとに固有の自然が織り成す造形や色彩への驚き。初めてでもどこか懐かしい、心安らぐひととき。今、いちばん欲しい開放感を感受できる、極上の島旅をお届けします。

この記事の掲載号

CREA Traveller 2021年夏号

Embranced by Nature
2021年 日本の島旅へ

定価1,350円 (税込)

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 さて、この記事では、日本最大の金銀山を有し、古来から「金の島」と呼ばれ繁栄を誇った佐渡へ。

 暖流や寒流にのって集まってくる四季折々の魚に潮風に育まれたフルーツなどの恵みを味わえるカフェを2軒ご紹介。


フルーツ王国の実力を農園カフェで体感

◆フルーツ&カフェさいとう

 一見、かき氷のように見えるが、氷もシロップも一切使わない、果実100%の“フルーツけずり”。1杯に使ういちごは、なんと15粒以上。

 収穫してすぐに凍らせ、極薄くスライスするように削る。それをスプーンですくって頰張れば、舌の上で泡雪のようにいちごは溶けて消え、甘酸っぱい香りが余韻を残す。

 味わえるのは齋藤農園に併設のカフェで、テラス席の先は水田ビュー。園主の齋藤真一郎さん曰く、佐渡の赤土は肥沃過ぎず、強い風が海のミネラルを運ぶため、果実が甘く風味よく育つという。

 収穫量は多くはないが、りんごに柿、シャインマスカット、いちぢく、みかんやレモンなど、北はもちろん南のフルーツも味わえる、知られざるフルーツ王国なのだ。

 さらにトキを育むために島内の水田はほぼ減農薬栽培。齋藤農園もマグロや鰹、酒粕などの有機肥料で手をかけて栽培しているので、水っぽくなく風味や甘みが凝縮。

 フルーツ自体がとびきり美味しいから、削っただけでも妙なるご馳走。

フルーツ&カフェさいとう

所在地 新潟県佐渡市新穂青木667-1
電話番号 0259-67-7088
営業時間 11:00~16:00
定休日 月曜・第1火・第4日曜

Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Jun Hasegawa