日本の玩具からインスパイアされたオブジェとしての容器

 さらに誰も想像しなかった方法で強烈な存在感を見せつけたのがポーラのV リゾネイティッククリーム。化粧品容器を超えたオブジェとしての提案は、実は日本の玩具からインスパイアされた。

 ボトルは“起き上がりこぼし”、スパチュラは“やじろべえ”、その組み合わせ自体が独創的すぎる。

 ドレッサーの中にしまい込まないで、生活の一部にしてほしい、心沸き立たせるツールにしてほしい、そういうことではないか。

 中身も好感度の高い顔作りを科学した化粧品。どんな顔立ちが対人関係で成功するのかという調査で、頬に膨らみがある顔が好まれるという結論から全く新しいリフトアップケアが生まれた。

 メッセージは「あなたは、だれかの勇気だ。」、自ら輝くことで他者をも幸せにする、そういう人を育てる化粧品を目指したのだ。

 まさに、ただのラグジュアリーではない、ただの容れ物ではない、存在自体が人を動かし、立ち上がらせ、そして幸せにする、日本の職人技がもたらす化粧品を超えた化粧品芸術には、あくまで人への愛が溢れている。

 海外への旅が難しい今、化粧品にまで及ぶ日本の手仕事に、胸が熱くなる今日この頃なのである。

フローフシ

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ポーラ

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レ・メルヴェイユーズ ラデュレ

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齋藤 薫(さいとう かおる)

美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌で数多くの連載を持ち、化粧品の解説から開発、女性の生き方にまで及ぶあらゆる美を追求。エッセイに込められた指摘は的確で絶大なる定評がある。この連載では第1特集で取材した国の美について鋭い視点で語る。各国の美意識がいかに形成されたのか、旅する際のもうひとつの楽しみとして探っていく。

Column

齋藤薫の「美を紡ぐ旅」

齋藤薫さんは、女性誌で数多くの連載を持ち、化粧品の解説から開発、女性に生き方に及ぶあらゆる美を追求している。この連載では、CREA Travellerが特集において取材した国の美について鋭い視点で語っていく。

Text=Kaoru Saito
Photographs=Hirofumi Kamaya