デビッド・ボウイの
50年間の足跡を振り返る回顧展「David Bowie is」

1972年、BBCの歌番組で「スターマン」を歌ったときの衣装
(C) Victoria and Albert Museum, London

 過去10年間の沈黙を破り、新曲「ホエア・アー・ウィ・ナウ?」とニューアルバム「ザ・ネクスト・デイ」を発表したデビッド・ボウイ。20年ぶりに全英アルバムチャートの初登場1位を飾り、その健在ぶりを見せつけた彼の回顧展「David Bowie is」が、8月11日までヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催中です。

 開催前から、大きな話題を呼んだこの回顧展、用意された42000枚の前売りチケットは、異例のスピードでソールドアウト、博物館側もこの展示会に限り、急きょ土曜日の開催時間を延長するという人気ぶりです。

60年代、バンド「ザ・コンラッズ」で活動していた時分の写真。展示会場は、写真、音楽、映像で溢れている
(C) Victoria and Albert Museum, London

「ミュージシャンの回顧展とは、これいかに?」と思われるかもしれませんが、デビッド・ボウイといえば、作曲作詞を手がけるソングライターであると同時に、映画俳優、舞台セットのデザイン、デザイナーとのコラボによるファッションなど、過去50年間にわたるカルチャーのアイコンでもあり、300点以上に上る展示品も、表現者としてのデビッド・ボウイの活動を網羅するものとなっています。

 まず入口で手渡されるのが、この展示会のスポンサー、ゼンハイザーのオーディオガイド。博物館でよくある音声ガイドのように見えますが、ヘッドホンをつけて、手のひら大の装置を手首にぶら下げて入ろうとしたら、係の方に呼び止められ、「首からかけてくださいね。正面にある展示に反応するようにできているので」とのこと。当然のことながら、音楽なしでは語れないデビッド・ボウイ展、なかに入ると、数限りないビデオやレコード解説に、このオーディオガイドが反応して、自動的に「いま見ているもの」の音声がヘッドホンから流れてくる仕組みです。

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text&photographs:Kazuyo Yasuda(KRess Europe)