テムズ河の南側、ロンドン橋のすぐ近くでひときわ目だつ塔のような建物が、西ヨーロッパで一番高いビル、シャードです。このビルの姿は、オリンピックの前からすでにロンドンの風景の一部となっていましたが、2月1日、いよいよその展望階がオープンしました。
「The View from the Shard」(シャードからの眺め)という名前のこの展望階、地上244メートル、ビルの68、69階と72階に位置しています。ロンドンでは唯一、東西南北360度の景色を上空から楽しめる場所で、オリンピック・スタジアム、ロンドン塔、タワー・ブリッジ、ビッグベンなどの観光名所はもちろんのこと、晴れている日には、なんと64キロ先の景色まで見渡すことができるのだそう。
入口脇のチケット売り場で入場券(大人24.95ポンド)を買い求めて、セキュリティ・チェックを通り抜けると、キャサリーン妃やエリザベス女王などお馴染みの王室のメンバーや、ミック・ジャガー、ケイト・モスなど有名人140人の顔をはめこんだ風刺絵が壁一面にあり、ロンドンらしい楽しい雰囲気を盛り上げます。
右:レベル33の床と壁には、ロンドンのマップとロンドンを描写した言葉が
秒速6メートルのエレベータに乗って、まずはレベル33へ。ロンドンに関する描写が地図とともに壁や床一面に書かれたこの階でエレベータを乗り換え、レベル68まで上がります。ここからレベル68、69の展望階へ階段を上がると、眼下にロンドンの景色が。12台ある無料の望遠鏡では、夜の景色と昼の景色、またライブビューが見られるほか、観光名所の解説まで読むことが可能。そこからさらに階段を上がったレベル72は、部分的にオープンエアで、見晴らしと同時に風の音が感じられる場所でもあります。
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text&photographs:Kazuyo Yasuda(KRess Europe)