いつも通りに生活をすることが難しい世の中になって約1年。

 「買い物もままならない中で、どう食材を使いまわしていくか、日ごろから続けていたことですが、さらにもっと賢く生活できないかと工夫しながら生活をしました」と言う料理家の飛田和緒さん。

 食材の扱い方の基本を通して、おいしく食べきるにはどうすればいいか、30数年の主婦生活と料理家として仕事を続けてきた20数年の経験が詰まった飛田さんの著書『時間も食材も賢く使う飛田さんの料理の工夫』からひとつの素材について、おいしく食べきるための扱い方や工夫をご紹介します。


和食、洋食を問わずに隠し味に「ナンプラー」

 レシピで見て買ってはみたけれど……、使いきれない調味料があります。そんなときには隠し味で使ってみるのがおすすめです。

 そうとわからなくなるくらいの量を入れてみる。オイスターソースやナンプラーはかきや魚から作られている調味料だから、少し入れるだけでだしのようなうまみがプラスされます。

 ひと味足りないというときに、和食、洋食を問わずにほんの少し加えることから始めてみましょう。

◆ナンプラーで「肉じゃが」

■材料(3〜4人分)

【A】

・じゃがいも(ひと口大に切る):4個分
・にんじん(ひと口大に切る):1本分
・玉ねぎ(8等分のくし形に切る):2個分
・豚バラ薄切り肉(ひと口大に切る):150g

・砂糖:小さじ2
・ナンプラー、しょうゆ:各大さじ1
・ごま油:大さじ1

■作り方

(1)大きめの鍋に【A】とごま油を入れて中火にかけ、鍋を揺すって全体に油をなじませる。

(2)ひたひたよりやや少なめの水、砂糖を加えて煮る。煮立ったら落としぶた、さらにふたをして弱めの中火で15分ほど煮る。

(3)じゃがいもがやわらかくなったらふたをはずし、ナンプラー、しょうゆを加え、煮汁が少なくなるまで中火で煮詰める。

2021.03.30(火)
文=飛田和緒