愛する人たちと過ごす時をより豊かに、大切にしたいと、ことさらに願う今、フランスの人々がホテルに求めるものは、大きな空と大地が迎えてくれるおおらかな環境。
広大な敷地で思い切り遊び、くつろぎ、自然を愛でるホテルへ。おすすめの4軒をご紹介。
現代アートの愛好家を魅了するプロヴァンスの小さなヴィラ
◆Villa La Coste(ヴィラ・ラ・コスト)
南仏、エクス・アン・プロヴァンス郊外のワイナリー、シャトー・ラ・コストに、建築や現代アートの愛好家が詰めかける。
お目当ては、世界で注目の建築家とアーティストによる作品群だ。
葡萄畑の広がる広大な敷地には安藤忠雄、ジャン・ヌーヴェル、レンゾ・ピアノらの建築、リチャード・セラ、リー・ウーファン他、錚々たる作家の屋外作品が公開されている。
だが、ワイナリーのオーナーのさらなる美術コレクションを惜しみなく公開する高台のホテル、ヴィラ・ラ・コストが2016年にオープンしたことは意外にもあまり知られていない。
母屋の扉を開けば、デザイン家具を配すアートギャラリーのようなサロンと数多の美術品が宿泊客を迎え、奥のテラスからは大きな空を流れる雲とシャトー・ラ・コストの葡萄畑、建築群が広がる。
この雄大なプロヴァンスの景色を堪能してもらおうと、母屋と地続きの客室はすべてテラス付きの小さなヴィラ。
ミッドセンチュリーデザインのコレクターでもあるオーナーの美意識を反映するインテリアは現代的でとても軽やかだ。
シャトー・ラ・コストを巡り、アートを堪能した1日の終わりに、無垢の白で統一された部屋に迎えられる心地よさは、美術館のホワイトボードの効果のよう。
Villa La Coste(ヴィラ・ラ・コスト)
所在地 2750 Route de la Cride, Le Puy-Sainte-Réparade, France
電話番号 +33 4 42 50 50 00
客室数 28室
料金 パヴィヨンスイート 550ユーロ~、ヴィラスイート 800ユーロ~、ヴィラスイート(プール付き) 800ユーロ~
https://www.villalacoste.com/
Feature
“新ラグジュアリー”に和む
フランスの週末ホテル旅
Text=Chiyo Sagae
Photographs=Yuji Ono