愛する人たちと過ごす時をより豊かに、大切にしたいと、ことさらに願う今、フランスの人々がホテルに求めるものは、大きな空と大地が迎えてくれるおおらかな環境。
広大な敷地で思い切り遊び、くつろぎ、自然を愛でるホテルへ。おすすめの4軒をご紹介。
パリから自転車で宿泊客がやって来る森の中のホテル
◆LE BARN(ル・バルヌ)

金曜の夕方、パリから自転車でやって来る宿泊客のために少人数のツアーを組んで案内するのがこちら、ル・バルヌだ。
車や列車でも1時間足らずの森の中のホテルは、そのアクセスさえも週末旅の楽しみに変える。

ランブイエの森は、ルイ14世の狩猟場として知られ、今も馬の飼育や訓練が盛んな土地柄で、ホテルの隣は乗馬界でも有数の種馬飼育場。

まさに、この馬の楽園を都会の人々の憩いの場にと、2018年にホテルがオープンした。

宿泊客を待っているのは、森の新鮮な空気と馬を放牧する広大な牧草地。元家畜小屋を改築したロビー棟の外には大小多数の自転車、玄関にはポンチョと長靴が並ぶ。


誰でもいつでも使えるこうした備品や、暖炉で温められた快適なリビングは、気兼ねのない週末の田舎の家に辿り着いたかのような安堵感を与えてくれる。
右:こっくりと優しく温かな風味が嬉しいカボチャのポタージュ。森のクルミを添えて。
採れたての有機野菜たっぷりの夕食を囲んで「明日は馬に乗る? それともキノコ狩り?」などと子どもたちと話す家族の姿も。
右:レストランで使用する野菜の多くを担う有機菜園は現在1,000平米。
他にも栗拾いや植物採集など、毎週末開催するホテルの企画は多彩だ。遊園地がなくとも、自然に楽しみ、学び、慈しむ。
子どもたちと共にそんな体験を望むカジュアルシックな若い親世代にとって、このホテルは家族の田舎の家になる。リピーターが多いというのも頷ける。

LE BARN(ル・バルヌ)
所在地 Moulin de Brétigny, Commune de Bonnelles, France
電話番号 +33 1 86 38 00 00
客室数 73室
料金 ダブルルーム 160ユーロ~、スイートルーム 300ユーロ~、ドミトリー(子ども用) 45ユーロ~
https://lebarnhotel.com/

Feature
“新ラグジュアリー”に和む
フランスの週末ホテル旅
Text=Chiyo Sagae
Photographs=Yuji Ono