庭との出会いで背中を押され、訪れるたびに、教えや安らぎ、感動をもらってきたという盆栽師の平尾成志氏。

 彼の感性を奮わす庭園の奥深さに触れる旅へ。おすすめの庭園を3カ所紹介。

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自然との調和が秀逸な、引き算の芸術

●東福寺本坊庭園(とうふくじほんぼうていえん)

 作庭家・重森三玲が昭和14年に完成させた本坊庭園は、東西南北に庭を巡らせた独特の作り。

 「とくに心動かされたのが北庭です。石と苔から成る市松模様が、庭の奥に行くにつれて石の数が少なくなっていく。

 恐らく引き算したんですよね。日本らしいマイナスの芸術に勇気と遊び心を感じました。整然さが保たれているのもすばらしい」(平尾成志氏)

 専属の庭師によると、長く伸びた苔を不用意に抜くと苔の丸みが損なわれるなど、苔の手入れには神経を使うという。

 平尾氏が訪れるのは決まって静かな朝の時間。本堂に腰をおろし庭を眺めながら名人の美学を全身で感じる。

東福寺本坊庭園(とうふくじほんぼうていえん)

所在地 京都市東山区本町15-778
電話番号 075-561-0087
開園時間 9:00~16:00(11~12月6日は8:30~16:00、12月7日~3月は9:00~15:30 ※年によって変更あり)
拝観料 500円
http://www.tofukuji.jp/

●紹介してくれたのは……
平尾成志

盆栽師。1981年徳島県生まれ。2003年に埼玉県の盆栽園、蔓青園に入門。修業の後、海外で活動し'13年に文化庁の文化交流使として世界11カ国を回る。’16年に成勝園を開園。著書に『異端の盆栽師 平尾成志の世界』がある。

Feature

平尾成志・盆栽の小宇宙
その背後にある創造の「庭」

Edit & Text=Natsuko Umezaki