元料理写真のスタイリストによる
トルコの人気デリカテッセン

目指すのは、スタイリッシュでモダンながら親しみやすい地元食堂

絶大な人気を誇るスウィーツ部門にも思わず目が釘付け

 ただし、食材にはこだわっている。トルコではオーガニック食材がやっと市場に流通しはじめたが、価格が高い上においしさという面でやや問題がある。このため、まずは「その季節の食材」であることと「国産」であることに注意を払っているという。そして自分が農家まで出向き、満足したところと契約を結んで、そこから取寄せた材料だけを使うというこだわりぶりだ。

お店の人気メニューの一つ、ローストビーフ。新鮮野菜と一緒に

 2階にはカフェ部門も併設。開店当初は「本日のメニュー」という季節や地元産食材の入荷状況により、いちばんおいしい料理だけを提供していたのだが、人気メニューについてはリクエストも多かったため定番として残すようになったのだとか。これが徐々に増えていき、現在ではかなり豊富な品ぞろえだ。とにかく、何を食べても不思議なぐらいおいしい！ お店の奥は緑に囲まれた中庭に面しており、静かな癒し空間となっているためデートにもおひとり様にもぴったり。

都会のど真ん中ながら、カフェ部門は落ち着いた雰囲気。有名人もちらほらいることも

 シェフとして正式なアカデミックキャリアはないが、育った家庭では料理に対する愛情が深く、基本理念はすべて母や祖母から学んだというシェムサさん。それだけに、目指しているのは「皆の口に合った家庭料理を提供する親しみやすい地元食堂、だけどスタイリッシュでモダン」なお店なのだとか。

text&photographs:Aki Yasuo