変幻自在のサウンドを誇るロックバンド、フジファブリック。実は3人とも読書が大好き。それは彼らの楽曲にも大きく影響しているらしい。ちょっとユニークな読書の“マイルール”とは?


 音楽への情熱は当然のこととして、たとえば楽器や機材、コーヒー、グルメなど、メンバーそれぞれがいろいろなものごとに秘めたこだわりを持っているバンド――フジファブリックに対して持っていたのはそんなイメージだったが、今回本に関する話を聞いてみると、こちらが想像する以上の話が飛び出してきた。

──メンバーの中では、加藤(慎一)さんがいちばん本を読まれるそうですね。

加藤 エンタメ小説をよく読みますね。あとは最近、事件ものとかホラーとか、暗い本ばっかり読んでいて。だから明るい本をおすすめできないのが悲しいんですけど。

山内(総一郎) 僕はエンタメも純文学も読みますけど、最近特に好きなのはノンフィクションで、たとえば炭鉱の本や日本の近代史についての本。若い頃はフィクションの方が好きだったけど、最近はそっちが多いですね。写真で明治・大正の時代を説明してくれる本とか、写真集も好きです。曾祖父や祖父の時代と今とを比べて、「あ、なるほど!」と、点と点が結ばれるような気持ちを味わうのが好きだったりしますね。

金澤(ダイスケ) 僕は、食べものの本か、知識の本。エンタメや小説よりも、実用の方が好き。同じテーマについて書かれている本を3冊買って、並行して読んでいくんです。そうすると、だいたい同じような内容なんですけど、微妙に違うことも書いてあるんですよね。それで、「この3人の言っていることはわかるが、僕の意見はこうかもしれない」と、僕の考えを4つ目の意見として追加して。

山内・加藤 (笑)。

金澤 僕、健康オタクなんですけど、何冊も健康本を読んでいくとどこかで矛盾が生じるじゃないですか。それが嫌だなと思ったんです。そういうわけで同じテーマの本を3冊買うようになったんですね。それで全部読んで、矛盾点を探して、「みんなが言いたいのはこういうことだろう」と結論を出す。1冊じゃ納得できない、疑っちゃうクチなんですね。食べものの本は、食エッセイも読むし、料理の本も読むし……。

山内 レシピ本出してるもんね。

金澤 出してるし、自分でも買うし。おいしいお店が載ってる本も読みます。『東京最高のレストラン』は毎年出るので必ず買ってるんですけど……(本を出す)。

山内 うわ、ページにめっちゃ折り目つけてるやん。

金澤 何度も読んでチェックして。ミシュランガイドじゃなくて、僕は『東京最高のレストラン』が好きなんです。それで「ここ行きたいなあ」って思うお店はたいてい「真心ブラザーズ」のYO-KINGさんが誘ってくれる(笑)。

2018.10.13(土)
Text=Shinji Hyogo
Photographs=Akari Nishi
Styling=Takashi Nii
Hair & make-up=Kanae

CREA 2018年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

101人の本と音楽とコーヒー。

CREA 2018年11月号

人生をちょっと自由にする、心の「スイッチ」
101人の本と音楽とコーヒー。

定価780円

慌ただしい毎日に、ちょっとひと休み。本と音楽とコーヒーを愛する101人に、大切な1冊、1曲、1杯を教えてもらいました。ちょっとだけ自由な気持ちになれたり、自分らしくいられるような、皆さんの心の「スイッチ」をご紹介します。