80年ぶりに復興した「京都十二薬師霊場会」とは?

 京都の中心、四条烏丸に近接し、ビジネスにも観光にも便利な立地を誇るシティホテルが「ホテル日航プリンセス京都」。その名前からもうかがい知れるように、女性に優しいホスピタリティと優雅なヨーロッパ調のしつらいが評判を呼んでいる。

 同ホテルは、「お薬師さん」として信仰を集めている京都市内の12寺院からなる「京都十二薬師霊場会」が約80年ぶりに復活したことを受け、これらの寺院を巡拝するゲストのための宿泊プランを新たに企画した。

「因幡薬師」こと平等寺。国の重要文化財である本尊の薬師如来立像は、嵯峨・清凉寺の釈迦如来、信濃・善光寺の阿弥陀如来とともに、古来より日本三如来に数えられている

 このプランには、各寺院より朱印を授かるための公式納経帖または納経布が含まれるほか、平等寺(因幡薬師)においては、お寺の門をかたどった紋菓子(非売品)を持ち帰ることができる。

 薬師信仰は、無病息災や万病の平癒、所願成就などの祈願を伴うもの。京の都において、この慣わしは平安時代より連綿と続き、江戸時代には特に盛んになった。そして、天明年間(1781~1788)には現在の12カ寺が巡礼先として定まったといわれる。

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