北イングランドを代表する宗教・文化の中心地、ヨーク。15世紀から続く王室洗足式の場所となる大聖堂をはじめ、落ち着いた魅力に満ちたヨークを2回にわたり紹介。今回は第2回目、ヨーク郊外の由緒あるホテルをクローズアップします。

>> 第1回「古都ヨークの美しい文化とトレンドを感じる」の記事を見る

由緒あるカントリーハウスでガーデニングを学ぶ

建物のバックヤード。グリーンの広々と開けた庭を愛でながらティータイムの楽しめるテラス

ミドルソープ・ホール&スパ

 ヨーク郊外にあるこのホテルは、イングランド王ウィリアム3世のカントリーハウスだったところ。ライムストーンに縁取られた、メロウな赤レンガの建物はスクエアだが、ジョージアン様式よりも窓が大きく、瀟洒な雰囲気を醸し出している。

 建物の創建は1699~1701年で、ウィリアム3世は完成の翌年に亡くなっている。戦争と議会運営に忙しかった王様だから、1年では頻繁には訪れられなかったはずだが、骨休めには最適のカントリーハウスだったろう。

左:エントランスホールから続く階段。重厚なわりに採光がよいのでエレガント
右:王家のカントリーハウスなので、飾ってあるものはやっぱり一級品

 で、このホテル、湖水地方の多くの不動産も所有するナショナル・トラストのもの。歴史的建造物を保護、継続させる活動は、拝観料を取ってまかなう方法だけでなく、ホテルとして自立させるという発想。実にユニークだ。

 もちろん、由緒あるカントリーハウスにふさわしく、ラグジュアリーなホテルとして運営されており、しつらえ、サービスともに、ゲストの満足度はとても高い。

左:ワイルド・マッシュルームとホウレン草のパイ。バターナッツ・ピュレとエシャロット、タラゴン・ソース添え。21UKポンド
中央:ルバーブのソルベとゼリー、ホワイトチョコレートのムース、泡ヨーグルト添え。11.50UKポンド
右:ダイニングは本館左翼のロケーション。ウッドパネルに囲まれた室内には、アンティークの置物がさまざまに飾られていて、超シックだ。料理はフレンチテイスト

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photographs:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
coordination:Mihoko Ogawa-Higgins
Special Thanks:Visit Britain(www.visitbritain.com) / Cumbria Tourism / National Trust / VisitLiverpool / Marketing Cheshire / Visit Stoke-on-Trent / Visit York / Virgin Atlantic Airways Ltd. / RAILEUROPE