山派イタリア人に人気なのが、イタリア北東部のドロミーティ山塊とその周辺の山岳リゾート。イタリア人が世界に誇る山岳リゾート地帯には美しく雄大な風景だけでなく、豊かな美味が溢れている。四季折々の山の恵みを皿の中に美しく再現したイタリア料理をいただけるレストランを紹介。

» 第1回 北イタリアの老舗2ツ星レストラン
» 第2回 モダンなジビエや野草料理に舌鼓
» 第3回 地衣類や木の皮を食する不思議な体験
» 第4回 季節感溢れる郷土料理をモダンにアレンジ
» 第6回 イタリアの山の恵みに満ちたレストラン
» 第7回 スプマンテの名門が開いた独創的レストラン
» 第8回 美食を楽しみながらプチ社会貢献

嫁ぎ先で習ったとは思えぬクオリティ

◆Trattoria Sale e Pepe
(トラットリア・サーレ・エ・ペーペ)

素朴な雰囲気の店内には、シェフが摘んでくる野の花やハーブが飾られる。

 フリウリ一美しい町といわれるチヴィダーレから車で30分弱。最後に急なカーブを上りきると、あと10キロ足らずでスロベニアというストレーニャに着く。人口350人ほどの小さなその村に、フリウリで屈指の名店「サーレ・エ・ペーペ」はある。

“自生ハーブのスフォルマート モンタジオチーズのフォンデュソース” 8ユーロ。ハーブ風味の卵を蒸し焼きに。フリウリの伝統料理をライトにアレンジ。
“ワイルドアスパラガスとジャガイモ、茹で卵のサラダ” 10ユーロ。

 村の食料品店を経営していた夫に嫁いでから「姑と近所のおばさんたちから習ったの」というテレーザ・シェフの料理は、田舎の村の、バールも兼ねた店とは思えないクオリティ。タクシーを飛ばしてでも行く価値あり。

“イラクサのスープに浮かべた焦がしリコッタのニョッキ” 9ユーロ。癖のない春の野草イラクサとリコッタの優しい味わい。
左:ナティゾーネ渓谷の大自然の中でハーブや果物を栽培する菜園。
右:店は、郵便局と村役場に薬局も兼ねた民家の前にある。絵本のような風景がそこに。

Trattoria Sale e Pepe
(トラットリア・サーレ・エ・ペーペ)

所在地 Via Capoluogo 19, Stregna, Udine, Friuli-Venezia Giulia
電話番号 0432-724118
営業時間 12:00~14:00(土・日曜のみ)、19:00~21:00(LO)
定休日 火・水曜

【ACCESS】
トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、県都ボルツァーノまで国鉄にてミラノ、ヴェネツィアからそれぞれ約3時間、州都トレントまではミラノから約3時間、ヴェネツィアからは約2時間半。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州ウーディネへは、国鉄にてミラノから約4時間、ヴェネツィアからは約2時間。車ではヴェネツィアから約3時間半。

Feature

イタリア人が愛する山の美味

Text=Sayaka Miyamoto
Photo=Kinta Kimura
Special Thanks=Daniela Patriarca(ICT-Italian Culinary Tradition)、Regione Südtirol/Alto Adige、PromoTurismoFVG