心も体も癒される、絶景の公共温泉施設

 さて、そんな古代ローマ時代から愛されるシルミオーネの温泉、現在は次のように楽しむことができます。

 こちらは、シルミオーネで人気の公共温泉施設「アクアリア」、日帰りで誰でも楽しむことができる大型スパです。

公共温泉施設「アクアリア」の入り口。

 屋内外の温泉プールに、ジャグジー、サウナ、リラクゼーションスペース、マッサージ、エステサロンまである充実の温泉施設です。軽食スペースもありますので、お腹が空いたら食事をしたり、お茶したりと、一日のんびり過ごすことができます。

アクアリアの施設案内地図。

 施設の充実ぶりもさることながら、こちらの温泉の魅力は目前に広がる景色。湖に面して作られたこの施設は、屋外の温泉プールはもちろん、室内の浴室、サウナ、リラクゼーションスペースもできるだけ大きく窓がとられていて、湖の景色を楽しめるように工夫されています。

湖を望む屋内温泉プール。

 温泉の温度は日本に比べてやや低めに保たれていますので、のんびりゆっくり温まりながら、景色を楽しむことができます。海のように広くきらめく湖と、どこまでも伸びやかに広がる空を眺めつつ温泉に浸かって、心身ともにリラックス。心地よく癒されていくのです。

夕映えの湖と屋外温泉。

 一日中楽しめる施設ですが、特におすすめは日没の時間帯。施設が西向きに作られていますので、晴れた日には美しい夕焼けが望めます。夕日に輝く空と湖が、日が傾いていくにつれて青からオレンジ、赤、紫、紺色へと刻々と色を変えていく様は感動的な美しさです。

ガルダ湖の波打ち際。

 また温泉施設の他にも、シルミオーネでは自然に湧く温泉も楽しむことができます。

左:ガルダ湖にかかる桟橋。
右:温泉の湧く湖に作られた小さな浴場と水鳥。

 湖の波打ち際に、温泉が湧くポイントがいくつかあるのですが、そこには、いつ、誰が作ったのか小さな浴場があり、自由に温泉に浸かることができるのです。自然のものなので、もちろんこちらは入場料なんてありません。誰もが楽しめる、みんなの温泉です。

湖のほとりで温泉を楽しむ観光客。

 もちろん、波打ち際ですから、目の前は広く青い湖、そしてその向こうは遠く望むアルプス山塊。雄大な自然に包まれ、その温もりに触れる、こんなに癒されることはありません。

シルミオーネから望むガルダ湖。

 古代ローマ時代から愛されるシルミオーネの温泉は、時の流れに形をかえつつも、今も変わらず人々を癒し続けています。

Aquaria(アクアリア)
所在地 P.zza Don A. Piatti, 1 25019 Sirmione(BS)
https://www.termedisirmione.com/en/aquaria

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったフェイスブックはこちら。 https://www.facebook.com/chococogogo

 

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文・撮影=藤原亮子