新しく生まれ変わった
「プリンス ワイキキ」

 2017年4月、「プリンス ワイキキ」がリニューアルオープンした。

ヨットハーバーを目の前にくつろぎの時間を過ごせる。

 「プリンス ワイキキ」が位置するのは、観光客でにぎわうワイキキの西側エリア。全室がオーシャンビュー、ヨットハーバーを目の前に静かな時が流れる。

 一方で、ハワイ最大のショッピングモール「アラモアナセンター」へは徒歩5分。ワイキキ中心部へは、ホテルの無料シャトルバスのほか各種トロリーバスを利用することができ、思いのままのリゾートスタイルを満喫することが可能だ。

開放的なインフィニティプール。

 ワイキキの喧騒から離れたこの場所は、古代のハワイアンたちにとって憩いの地だったという。このたびのリニューアルではこの地の歴史をひも解き、アーティストの手によっていにしえの時を再現した。

 その象徴となるのがロビーフロア。

 ロビーに足を踏み入れて天井を見上げると、小さな魚たちが群れをなして海に向かって泳いでいる。この小さな魚の名を、ヒナナという。

ヒナナが太平洋へ向けて力強く泳ぎだす、躍動感あふれるカイリ・チュンの作品「フラリ・イ・カ・ラ」。

 古代ハワイでこの地は、ピイナイオ川が太平洋へと注ぎ出る河口。川と海が接する滋養豊かな地には彩り豊かな植物が繁茂し、多くの人たちが憩いを求めて集ったという。そしてピイナイオ川で生まれた回帰魚ヒナナは太平洋に泳ぎ出て、成魚オオプとなって再び故郷の川へと還ってくる。

 この壮大なストーリーを館内を彩る数々の絵画に描き出したのが、オアフ島出身のアーティスト、ソロモン・ロバート・ヌイ・エノスだ。

写真左側のブルーのエリアは海を、真ん中は川を、右側は陸地をイメージ。川の上部を泳ぐのがヒナナだ。ロビー全体がアート空間。

 全客室に描かれている印象的な花は、ピイナイオ川にちなんで名づけられたナイオフラワー。強い再生力と浄化力をもち、豊かな芳香を放つ小さな花だという。

左:シアトル在住のアーティスト、リッキー・ウォルフェが描くナイオフラワー。
右:テーブルとランプもアート空間に調和。

 かつてのハワイアンが癒された豊かな自然に見守られる客室で、窓に目を転じると見事なオーシャンビューが広がる。客室の一面、天井から床まですべてがガラス窓。窓をあければヨットハーバー越しの心地いい風が頬をなでてくれ、ブラインドは枕元のボタンひとつで開閉が自由となる。

太陽の位置によって刻々と色を変える海と空。ずっと眺めていたい美しい景色だ。
アメニティは、カウアイ島生まれのオーガニックスパブランド「マリエ・オーガニクス」。

文=CREA WEB編集室
撮影=山元茂樹