旅行者にもおすすめの老舗店を紹介

 パレルモのあちこちの街角に、この名物モツバーガーを売る屋台や売店がありますが、オススメは旧市街の老舗「アンティーカ・フォカッチェリア・サン・フランチェスコ」。

人気店「アンティーカ・フォカッチェリア・サン・フランチェスコ」本店の前はいつも人だかり

 創業1834年と堂々たる歴史を誇りつつも、店内は明るく清潔で、地元客に混ざって並ぶ観光客の姿も多く、日本人旅行者でも比較的安心して入れます。そして、食べなれない初心者向きのミニサイズがあるのが、何よりうれしい。シチリア人以外の胃は、思いのほか小さいということをよくご存じのお店です。

モツ・ラード炒めの香りが漂う店内

 とはいえ、日本のお店のようにメニューがきちんと用意されてるとか、店員さんが親切に案内してくれる……なんてことはないので、オーダー方法と、ついでに知る人ぞ知る地元流オーダーのコツをご紹介します。

 基本の具であるモツ+カッショカバッロチーズ+リコッタチーズを、お好みで選びます。勇気ある“全部入り”、ボリューム控えめの“リコッタ抜き”、さっぱりと“チーズ全部抜き”、そのほか“脂少なめ”、“脂多め”まで……、まるでどこぞのラーメン屋さんのノリで、自分好みの味にするのが地元流です。これはガイドブックでも触れられていないので、観光客には知る人も少ないはず。

お好みオーダーが本場パレルモ流

 個人的には、リコッタ抜きの脂少なめあたりが、日本人の胃には丁度よいこってり具合かな、などと思いますが、いかがなもんでしょう。

 ちなみに、こちらの老舗、ミラノ、ローマをはじめとするイタリア各地、そして北京にも進出済み。本場の味を日本で試せる日も近い(!?)かもしれませんが、やはりストリートフードは、その土地の空気を感じながら食べるのが、より美味しい。

 パレルモ生まれのモツバーガー、いつの日かパレルモの街を歩きながら地元流にいただく贅沢を、ぜひお試しください! 

Antica Focacceria San Francesco
住所 Via Alessandro Patermostro, 58 Palermo
電話 +39-091-320264

岩田デノーラ砂和子
フリーライター・コーディネーター・イタリア語通訳。2001年より、イタリア在住。一昨年に首都ローマから、念願のシチリア島へ拠点を移す。メディアコーディネートおよび女性誌、WEBに執筆するほか、イタリア関連書籍多数。近著は人気シリーズ第3弾「街歩きのイタリア語」。Blog:「ローマの平日シチリア便り」最近加わったワンコとイタリア暮らしネタが話題!Official Website:Buonprogetto.com

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