カタルーニャ地方では、現在「カルソッツ(Calçots)」と呼ばれる長ねぎが旬の真っ只中。正確には長ねぎではなくて、玉ねぎを独特の方法で栽培したものだそうだが、見た目は日本の長ねぎそのものである。
これをどうやって食べるかというと、まずは、直火で表面が真っ黒になるまで網焼きにする。そして、こげた外側の部分をはぎ、とろりと焼きあがった内側の柔らかい部分に「ロメスコ」と呼ばれるソースをつけていただく。こう書くと何やら上品な響きだが、実際はナイフやフォークを使わずに、手だけで食べる豪快な料理。
長いままのねぎにソースをつけたら、顔を上向きにしてあ~んと大きく口を開けて食べるのがコツ。ソースで服を汚さぬよう、エプロンをして食べることが多い。
ねぎのあっさりした甘みに、ナッツなどが入ったロメスコ・ソースのコクがマッチして、ついつい次の一本に手が延びる。こげた部分をせっせとはぐ手は、あっという間に真っ黒に……。一段落して手をきれいにしたら、次は羊肉やブティファラと呼ばれるカタルーニャのソーセージの網焼きへと続くのが一般的だ。
こうやってカルソッツを食べることを「カルソターダ(Calçotada)」と呼び、この時期週末になると友人や家族で集まって、屋外でのバーベキューならぬカルソターダをする人も多い。そのせいか、雨が降るとカルソッツの売り上げはガクンと落ちるのだとか。
text:Miyuki Tsubota