1291年に始まるスイスの歴史

 スイス在住のコーディネーター、ハイキング・スキーガイドの西村志津と申します。これからスイスアルプスの山の絶景や街の魅力をお伝えしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

現在のゴルナーグラート展望台。ガイドブックが出版された翌年の1896年に開業した「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」のレストランからは、マッターホルンの絶景が楽しめます。
スイスといえば、静かな湖畔と高くそびえるアルプスの山々。古くからたくさんの旅行者を魅力してきました。写真は、絶景で名高いエッシネン湖。

 まずは、スイスという国について……。

 スイスという国の歴史は、1291年8月1日にウーリ、シュヴィーツ、ウンターヴァルデンの3州が誓約同盟を結んだことから始まります。1815年のウィーン会議で永世中立国となり、第一次世界大戦では、積極的には戦争に参加しませんでした。

 国土の大部分が山岳地帯ですが、化学・製薬、機械、金融サービスの分野が発達し、世界市場における地位を確立していきます。公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つ。首都は綺麗な旧市街が世界遺産に登録されているベルンです。

121年前のガイドブックに出合う

左:格調高い表紙も時代を感じさせます。
右:本を開くと「1895」の文字が……。

 旅をするにあたり、重要なのは情報収集。その方法も変化を遂げてきました。ガイドブックや雑誌、インターネット、電子書籍などなど……。先日、スイス人のパートナーの実家から1895年に出版されたスイスのガイドブックを見つけました。

 なんと出版されたのは121年前、その時に日本は明治28年。ドイツで印刷されて当時のお金で6マルク。高級本だったに違いありません。今でもそんな本が普通の家庭で保管されていたことに驚きました。古本の香りが歴史を感じさせます。フランスのシャモニーやイタリアのヴァルテッリーナもカバーされています。

上:ゴルナーグラートから眺めた、マッターホルンをはじめとした山々のパノラマ図。100年以上前の様子がわかって楽しい。
下:パノラマ図のほぼ同じアングルから。

 マッターホルンはなんと4482メートル。現在は4478メートルですから、今より高かったのです! フィスプからツェルマットに向かう途中、崖の上のエムドという村のニワトリさんは、冬にアイゼンを履いている、と書かれており、そのユーモアに微笑んでしまいました。

文・撮影=西村志津