どこにもない絶景!
自然の脅威を象るイタリア・ドロミーティを行く

 ドロミーティはイタリアの北東部にある山岳地帯、2009年にユネスコの世界遺産に登録された景勝地です。

特徴的な山塊が魅力のドロミーティ。

 麗らかな高原の先に切り立つ岩峰の迫力は、見る人の心を打つ、自然の美しさを知らしめてくれる絶景です。そんな自然の真髄に触れるには、大変な行程をたどらなければいけないところが多いのですが、ここは観光客でも気軽に足を運ぶことができ、それがまた大きな魅力のひとつでもあります。

 今回は、誰でもきっと訪れることができる美しき山岳地帯「ドロミーティ」をご紹介します。

ドロミーティの魅力

 ドロミーティは、最高峰のマルモラーダ山をはじめとする、3000メートルを超える山が18峰もある山岳地帯。天を衝くように高く切り立った尖峰、岸壁や氷河、カルスト系の地盤など、見事な地形を様々に見せてくれます。

3つ並ぶ切り立った山が印象的な「トレ・チーメ・ディ・ラヴァレード」。

 山々を縫うように走るドロミーティ街道が、私たちをそんな絶景に連れて行ってくれます。

ドロミーティ街道から望む山々。

 3000メートル級の高い山でも、ロープウェイが整備されているところもあり、誰でも簡単に登ることができます。

サッソ・ルンゴとセラ山群。

 こちらはロープウェイで上がることができるサッソ・ポルドイ。展望台は2950メートルの高さにあります。

サッソ・ポルドイの展望台からの眺め。

 ドロミーティのテラスと呼ばれるここからの眺めは絶景で、ドロミーティの山々を一望することができます。

サッソ・ポルドイの山頂。

 中生代は海底であったというこの地は、今は天に届く山頂です。白い岩肌がむき出しになった荒涼とした風景が、なんだか火星などの他の惑星を連想させますよね。

澄んだ水が美しいカレッツァ湖。

 また、大地が隆起する過程でできた湖も山間に点在し、これもドロミーティの魅力的な景色のひとつです。澄み渡った水が見る人の心を潤してくれます。

文・撮影=藤原亮子