Addis Abeba
アディス・アベバ

茶色い3つの塊部分はスパイシーな肉の煮込み。使う肉は鶏と牛。右真ん中にある辛みのないニンジンとポテト、牛肉の煮込みは日本の“煮物”に匹敵。伝統料理6種盛り合わせ17ユーロ。ベジタリアン盛り合わせ15ユーロ。写真はふたつを合わせたもの

 パリに北アフリカ料理屋さんは多くても、エチオピア料理はさすがに少ない。オーナーのスラブスさんは16年前に来仏。

 奥さんが料理上手でお店を始めたが、「レストランの仕事は文化だけでなくその国のことを伝えること」と言い、スパイスなどはすべてエチオピアからのもの。

 料理は基本的にひとつの大皿に盛られ、それをみんなでシェア。取り皿もフォークもナイフもない。テフという穀物の粉で作る“インジェラ”と呼ばれるクレープをちぎり、それで包んで食べる。

 長時間かけて煮込む肉料理は赤唐辛子が後からじわっと効いてくるも、甘みもあり、馴染みを覚える味。レンズ豆やインゲンの野菜料理はやさしい風味だが食べ応えはしっかり。

店内には、コーヒー発祥の地エチオピアの伝統的な器が飾られている。お客さんの大半はフランス人

 消化もよく、女性には嬉しい発見だ。

Addis Abeba (アディス・アベバ)
住所 56, rue Notre Dame de Lorette 75009 Paris
電話番号 +33・1・42・80・06・78
営業時間 19:00~23:00
定休日 無休 (8月は休業)

photo:Shiro Muramatsu
text:Akiko Kawamura
construct:Shojiro Yano