浜田統之シェフのシグネチャーである「五つの意思」。五味(酸・塩・辛・苦・甘)をそれぞれひとつずつの料理で表現。禅僧が懐に温石を入れたという、懐石の起源から着想を得た。料理に合わせて石の温度を変えるという、繊細さが光る。左から、かますと大根のルーロー、きのことあさり身のスープ、エビとホタテのメルゲーズ、サンマとじゃがいものコロッケ、百合根饅頭。 大手町の高層ビルの間に位置する星のや東京。 エントランスに足を踏み入れると、都心の賑やかさが別世界のように思えるほど静か。 浜田統之シェフは、軽井沢のフレンチ「ユカワタン」の総料理長だった時代に広く名前を知られるようになる。2016年に星のや東京が開業すると同時に、料理長に就任した。 リンゴ酢で〆られた「鯖」は、塩気と果実味が絶妙のハーモニーを奏で、〆サバという料理に抱いていたイメージが根底から覆される。 地下2階のダイニングのあるフロアには、青木良太氏の陶芸作品が展示される。 本日のデセールは、「和栗と落花生のモンブラン」。五感で秋を味わうことができる。 ダイニングがある地下2階は、魚のフルコースを供する「Nipponキュイジーヌ」に合わせて、海底をイメージした設えとなっている。中央の岩は建築家の東利恵氏が厳選したもので、壁の紋様は地層を模している。 14フロアの各客室階には、それぞれ6つの部屋がある。写真は定員2名、面積約50平米のツインの部屋、「桜」。 各客室階の宿泊者のみが利用できる共用スペース「お茶の間ラウンジ」。24時間自由に利用できる、宿泊客の団らんの場。 浜田統之 1975年、鳥取県境港に生まれる。18歳からイタリア料理の世界で腕を磨き、24歳でフランス料理に転身。2004年にボキューズ・ドール国際料理コンクール日本大会で史上最年少優勝をはたす。2013年には同コンクールフランス大会本戦で世界3位に入り、銅メダルを獲得。2016年より星のや東京の料理長を務める。 記事を読む