大きな自然とフレンチシックな街遊び、ひとつの旅で二度おいしく

世界遺産に登録されている、ニューカレドニアのラグーン。豊かなマリンライフが育まれる海は、まさに地球の宝だ。

 日本から直行便で約8時間30分、赤道を越えた南太平洋に浮かぶフランス領ニューカレドニア。1600キロも続くラグーンには、化石となったサンゴから今も成長を続けるサンゴまで、幅広い年代層のサンゴが生息している。豊かなラグーンは海の生物たちにとっての揺りかごとなり、ここに暮らす種の数は実に9000にも上る。

ハーバーを見守る、丘の上のセント・ジョセフ大聖堂。

 海のみならず、山の自然も驚異のスケール。シダ類や針葉樹などに覆われた太古の森には、ジュラ紀から命を紡いでいる種も。それが、首都ヌメアから1時間のドライブで訪れることができるとは。ニューカレドニアには、トロピカルな南の島を超えた魅力が秘められている。

ビーチで課外授業を受ける小学生を見かけることも。

 国際空港のあるグランドテール島の首都ヌメアは、本国フランスの香り漂う、南太平洋きってのおしゃれシティ。2つの鐘塔がそびえる丘の上の大聖堂や、白いマストで埋め尽くされたハーバー、フレンチ・コロニアル調の家並みなど、目を向けた先には心ときめく光景が待っている。

お買い物のブレイクに立ち寄れる、マルシェ内のカフェ。

 中心地から車で20分ほど走ったアンスバタとシトロン湾は、潮風が心地いいリゾートエリア。ここではツーリストのみならず、ローカルも、海辺の時間を楽しんでいる。ビーチ沿いのカフェで友人とおしゃべりに興じ、週末には家族や仲間とビーチへ繰り出す。そんな彼らのライフスタイルに、どこかオアフ島と似たものを感じてしまう。いわばハワイのフレンチ・バージョンといえるかも!?

ヌメアのローカルにならう海辺のライフスタイル

アンスバタビーチの目の前にあるヒルトン・ヌメア・ラ・プロムナード。充実したキッチン付のお部屋が119室。ショッピング・アーケードとも直結。 » 詳しい宿情報はコチラ(外部サイト)

 暮らしを楽しむ術に長けたローカルをお手本に、ヌメア滞在をアレンジ。たとえば、ステイ先にキッチン付のホテルをチョイスしてみる。フランスから輸入された食材やワインを仕入れ、自炊にチャレンジ。物価が安くはないヌメアでは、滞在費の節約にもなる。

マルシェにて。オリーブだけでこれだけの種類が。生乳を絞った無添加チーズのスタンドもある。(C)CHIEKO KOSEKI

 マルシェへ買い出しに出かけたら、施設の一画にあるカフェスタンドでクロワッサンとコーヒーの朝食はいかが? 買い物客が行き交う活気に満ちた市場内をウォッチしながらコーヒーをすするのも、暮らしている気分を味わえる。

朝のアンスバタやシトロン湾では海沿いの道をジョギングする人をよく見かける。

 朝食を終えたら、朝日を受けて海沿いをラン! ヌメアで開催されるマラソン大会を目指して旅するのも、一案だ。ヘルシーかつ爽快に、ヌメアの街を闊歩しよう。

文・撮影=古関千恵子