お料理に、またお酒のおつまみとして、はたまたデザートにもなる、濃厚な旨みを持つチーズは、私たちの食生活をおいしく彩ってくれる食材ですよね。日本ではパルメザンチーズとしておなじみのチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノは、芳醇な味わいを持ち、イタリアチーズの王様といわれる極上のおいしさです。
そんなチーズの王様はどんな風に作られているのか。その本当のおいしさの秘密を生産地からレポートします。
豊かな大地がはぐくむチーズ
パルミジャーノ・レッジャーノは、エミリア・ロマーニャ州で伝統的に作られてきたチーズです。
エミリア・ロマーニャ州は、こんなのんびりした風景。豊かな大地に恵まれ、畜産や小麦、ぶどうなどの農業が盛んな地域です。それらの収穫物を加工した、生ハムやバルサミコ酢、このパルミジャーノ・レッジャーノチーズなどの特産物も多い、美食の都なのです。
パルミジャーノ・レッジャーノには、厳しい製品規格がもうけられています。その生産を伝統的に行ってきたごく一部の地域において、古くからの製法を守って作られ、厳しい審査に合格したチーズのみが、晴れてその名を名乗ることができます。その製法も、手間とひまと、情熱を惜しみなく注ぐもの。ああ、だからこのおいしさなのだと納得の工程です。
では、次に、そのおいしさを作る秘密を見ていきましょう。
文・撮影=藤原亮子