木陰でのんびり、カッパドキア観光の疲れを癒して
そんなわけで人気料理は、ブドウの葉のドルマやマントゥ、ヒュンキャルベーエンディといった伝統的なアナトリア料理。冬はほっこり豆の煮もの料理などが絶品だったりもするし、個人的には手作り生地で作られたバクラワ(トルコ伝統のパイ生地スイーツ)もおススメだ。
右:一枚一枚うすーい生地を何層にも重ねて、シロップをかけて焼いたスイーツがバクラワ。やっぱり手作りが一番。
元はルーム人のものだったこの建物、ニヤジさんの祖父が1938年に買い取ったということで、「村の教会を建てたのと同じ建築家が建てたから、とてもしっかりしているんだよ」とのこと。きっと、それなりに地位の高いルーム人だったのだろう。今でも昔ながらの内装にはほとんど手を加えられておらず、当時の生活の様子がうかがえる。
中庭のブドウの葉の木陰でチャイなんか飲んでいると、自分も地元カッパドキア人になった気分でゆったり過ごせてしまう。カッパドキア観光の疲れを癒やしに、お茶とお菓子をいただくたためだけでも訪れてみたいところだ。
いずれ、この村には日本の大手ホテルチェーンも参入予定だという。観光地として人気が高まっても、ここのオリジナルのよさと雰囲気を残したまま、美味しいカッパドキア料理を提供し続けてほしい。
Old Greek House Restaurant(オールドグリークハウスレストラン)
所在地 Sinasos Village, Mustafapasa, Urgüp
電話番号 +90-384-353-5306
営業時間 7:30~22:30(夏期)、8:00~22:00(冬期)
URL http://www.oldgreekhouserestaurant.com/en/index.html
安尾 亜紀 (やすお あき)
イスタンブール在住。イスタンブール大学大学院女性学研究所卒。女性誌や料理誌、報道関係まで幅広い分野でライター・コーディネーターを担当。トルコの「おいしい・楽しい・新しい」を中心に、All Aboutトルコ・イスタンブールでも情報発信中。
文・撮影=安尾亜紀