高速道路の開通でアクセスはぐんと便利に!
さて、そんなサパですが、以前はハノイから夜行列車で一晩をかけ山麓の町まで行き、そこからさらに車で30分ほどかけて向かう必要がありました。とはいえ、夜行列車にはベトナムのさまざまな地域でリゾートホテルを営むヴィクトリアホテルグループの豪華な寝台車なども連結され、その優雅な列車の旅も趣深いものでした。
しかし、往復で2晩の車中泊を考えると、どうしても余裕のある日程が必要になってしまう。よほど長期の休みでも、日本からとなるとサパは、なかなか足の運びにくい場所でもありました。
そんななか、ついにハノイから麓の町・ラオカイまで、高速道路が開通。約4時間でサパまで行けるようになりました。2014年の開通当初はまだまだ利用が少なかったものの、徐々に旅程が整理され、今年に入ってからはハノイから1泊2日程度で気軽に行ける場所として、現地旅行会社でのツアーの人気も高まっています。
サパには山に点在する少数民族の村々をたずねるトレッキングをはじめ、インドシナ最高峰の山ファンシーパンの登頂など、アウトドア関連のアクティビティが充実しています。また、ヴィクトリアサパをはじめとするリゾートホテルなどもあり、南国のビーチリゾートとはまた違うベトナムを楽しむのにもぴったり。
のんびり列車で向かうもよし、車で効率的に訪れるのもよし。好みの旅のスタイルで、ぜひ色とりどりの民族衣装姿の人々に、会いにいってみてください。
杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム・ホーチミン市在住のフリーランスエディター・ライター&フォトグラファー。日本で編集者として活躍後、渡越。在ベトナム20年。女性誌や旅行誌、機内誌などの取材・撮影・コーディネートを通じ、幅広くベトナム情報を発信中。
文・撮影=杉田憲昭