白浜の海に囲まれる優美な城館

“名工たちの夢の館”とも呼ばれる名建築
シュトックマルモ(石膏擬石技法)と金箔のドーム天井が美しいロビー

 本州で最も早く海開きが行われ、古くからの温泉地として名高い和歌山県の南紀白浜。白浜ビーチから少し入り組んだ、穏やかでまるで鏡のような田辺湾の海面に姿を映す、古城のような存在感の「ホテル川久」が誕生したのは1991年のこと。中国・北京の紫禁城に輝く“老中黄の瑠璃瓦”が47万枚使用された外観、フランス金箔職人が手張りで作業した22.5金のドーム天井、ウィーンのオペラハウスにも使用されているシュトックマルモ(石膏擬石技法)の大きな柱……。252万時間/315,000人の労と総工費400億円を費やし、世界中の匠と伝統技術を結集させて作り上げたこの名建築は、“名工たちの夢の館”とも呼ばれている。そのほか、ビザンチンのモザイク画や、ジョルジオ・チェリベルティによる天井画などが点在し、館内はさながら美術館のような趣。見どころを案内する「館内クルーズ」が人気というのもうなずける。

 一番狭い部屋でも60平米以上、広い部屋で180平米ものゲストルームは、74室すべてがスイートルーム&オーシャンビュー。ヨーロッパの図書館をイメージして造られた2階建てのワインセラーに眠る、驚きのヴィンテージワインや、本格コースをいただけるイタリアンフレンチ、海景を望みつつ地元の新鮮な食材を堪能できる和食会席料理といった美食のラインナップは、日本国内外からリピーターに足を運ばせるハイグレードなものだ。

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