目から入る紫外線が日焼けの原因に⁉

 いよいよ夏本番。強い日差しが降り注ぐシーズンの到来です。日頃から肌の紫外線対策は万全という人でも、目は無防備なままという人は案外少なくないのでは?


 外出時には顔や体に日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりして紫外線対策をしている人も多いでしょう。ですが、残念ながらそれだけでは不十分かもしれません。じつは、目から入る紫外線が日焼けの一因になるということが、実験結果で明らかになっています(※1)。

 というのも、目が強い紫外線を感知すると、脳が「紫外線を浴びている」と判断。その防御反応として体内にメラニンを生成するよう指令を出します。それにより、紫外線の当たっていない皮膚でも日焼けが起こる可能性があるというわけです。

※1 大阪市立大学 名誉教授 井上正康氏のチームによる実験より。

「眩しくないから大丈夫」、ではない

 紫外線は、目に見えない波長の光です。よく混同されがちですが、紫外線は眩しさの原因とはなりません。そのため、眩しく感じていなくても、裸眼でいれば目は紫外線を浴びてしまっています。

 気象庁のWEBサイト(※2)によると、薄曇りの日でも快晴時の80~90%、曇りの日でも60%の紫外線量があるとのこと。しかも、紫外線量は気象庁が観測を開始した1990年以降、年々増加傾向にあり、とくにこれから7月、8月にかけて紫外線量はピークを迎えます。

 紫外線を浴び続けると、肌がダメージを受けてシミやシワの原因に。これを「光老化」といいますが、とくに目の周りは皮膚が薄くダメージを受けやすいと言われています。

目の紫外線対策にはサングラスが有効!

 日焼け止めではケアできない目。そしてデリケートな目の周りを紫外線から守るために、ぜひ活用したいのがサングラスです。目の紫外線ばく露量について、つばの広い帽子では20%カットするのに対し、紫外線防止効果のあるサングラスを顔にフィットした状態で適切に使用すると、目の紫外線ばく露量を最大で90%カットすることができます(※出典 環境省 紫外線環境保健マニュアル2020より)。

 でも、サングラスを日常的に取り入れるのは難しい……? その心配は無用。現在サングラスのトレンドは、デイリーに掛けやすいデザインにシフトしているんです!

2022.07.23(土)
文=伊藤美玲