京都ならではの意匠が凝らされた優美で個性的なホテルが、続々と誕生している。
新時代の京の美を体現するこれらのホテルは、洗練されたあしらい、おもてなし、美味の数々といった、ホテルでなければ叶わない特別な体験に満たされる時を提供してくれる。
美意識を感じられる京都の新しいホテルを6回に渡りご紹介。
伝統工芸の新しい未来を感じられる空間
◆ホテルオークラ京都 岡崎別邸
京都に数多あるなかでも、これほど工芸を肌で感じられるホテルはほかに見当たらない。
なんといっても核になるのはクリエイティブユニットGO ONが全員揃ってホテルづくりに参画したこと。
仕掛け人はインテリア総合ディレクションを手がけた松浦竜太郎さんだ。
「東山文化が受け継がれる岡崎にホテルをつくるとなったとき、伝統工芸の新しい未来を感じてもらえる空間をと考え、思い浮かんだのがGO ONでした」と振り返る。
なかでも西陣織、竹工芸、茶筒、京金網はプロジェクトの早い段階からやりとりを重ねてきた。
「朝日焼」の茶盌、「中川木工芸」のアートピースも、作品を置くための場所をつくるべくデザインしたという。
さらに気鋭のクリエイターの作品を加えて、後からただ添えたのではない、工芸が随所にちりばめられたホテルが完成した。
派手に主張するわけではないのも伝統工芸ならでは。不思議と感じる心地よさを生み出している。
ホテルオークラ京都 岡崎別邸
所在地 京都市左京区岡崎天王町26-6
電話番号 075-771-5777
客室数 60室
料金(1室) ダブルルーム 61,952円~、別邸スイート 182,105円~(ともに2名利用、朝食付き、サ込)
https://okazakibettei.hotelokurakyoto.com/
Feature
京都ならではの意匠を堪能
美意識を感じる工芸ホテル
Text=Mako Yamato
Photographs=Atsushi Hashimoto