新型コロナウイルス、度重なる自然災害、未来に不安さえ感じた日々。

 私たちは何をすべきなのか? これからどこへ向かえばいいのか? 答えは大自然が教えてくれるはず。

 地球の営みに触れるべく島根県・隠岐諸島と北海道・十勝に。3回に渡り、島根の島々と北海道の絶景とホテルをご紹介。


大自然の中で暮らす日常を体験できる特別な時間

◆北海道・十勝/MEMU EARTH HOTEL(メム アース ホテル)

 真冬はマイナス30~40度にもなる厳しい寒冷地、十勝地方にある大樹町。

 訪れた晩秋の日は、大いに荒れて暴風雨に恐れを抱くも、夜には雨がやみ、無数の星が夜空を埋めつくし、翌朝は牧草地を覆う雪のベールが神秘の世界を見せてくれた。

 そんな大自然のドラマを体験できるのが「メム アース ホテル」だ。

 一棟貸しのステイスタイルで、5つある棟は、“寒冷地域で従来のエネルギーを極力使わない住宅”を、国内外の様々な大学の研究チームが提案し、建築家・隈研吾が監修したもの。

 膜材を使った壁に温水パイプを通し、暖かい空気を循環させる部屋など、個性の異なる建物で滞在を楽しむことができる。

 もともとは競走馬の育成牧場として使われていた場所であり、敷地内には5頭の馬やポニーが従業員たちと家族のように暮らしている。

 ここにあるのは動物と共に生活し、雄大な自然の中で生きるという、プリミティブな日常だ。

 例えば長い冬を越すために秋のうちに薪を割っておくといったような営みをスタッフから見聞きし、知ることになる。

 無邪気な馬たちを眺めることもスタッフが同行すれば可能。

 別棟のレストランで味わえるディナーも見た目が美しく洗練されているだけでなく、白樺の樹液を使った自家製パン、暖炉の直火で仕上げるジビエなど、原始の時代の日々と繋がっている感覚になる。

 食後は暖炉の炎のゆらめきに浸れば心が空っぽに。旅人にとっては新鮮で、気づきのある時間が刻まれていく。

 冬が明ければ花々で彩りが生まれ、新緑の時季は緑が輝きを放つ。

 どの季節に訪れてもスケール感ある自然の表情を目の当たりにできる、まさしく地球の遊び場だ。

MEMU EARTH HOTEL(メム アース ホテル)

所在地 北海道広尾郡大樹町芽武158-1
電話番号 01558-7-7777
客室数 5棟
料金(1名) 33,000円~(1室2名利用、2食付き)
http://memu.earthhotel.jp/

Feature

大自然の中に佇み
地球の営みに触れる旅へ

Text=Motoko Saito
Photographs=Atsushi Hashimoto

この記事の掲載号

No Travell, No Life 今、行きたい9つの旅

CREA Traveller 2022年vol.1

No Travell, No Life
今、行きたい9つの旅

定価1,350円 (税込)

詳しくは
こちらへ

CREA Traveller 2022年vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。