世にも珍しい、理容室&スナック夫婦

 藤井理容室は、「二足のわらじのお店」としても有名で、よくメディアに取り上げられている。
 どういうことかというと、1階の藤井理容室と2階の会員制スナック「レスト」を、夫婦で経営しているのだ。
「レスト」はランチもやっているので、理容室店主の藤井泉さんは、朝からランチの仕込みを手伝い、奥さまの幸子さんが、厨房で腕を振るっている。
 ランチが終了すると、幸子さんも1階へ降りて調髪を手伝う。

 世にも珍しい、理容室&スナック夫婦なのだ。
 しかも看板ネコまでいるという。

表の看板

「理容室より2Fレストへ通り抜けできます」

 と書いてある。
 そう、レストへ行くにはこの理容室を通る必要があるのだ。

藤井理容室正面入り口

 店内をすすーっと通り抜け……。

あ、タマだ

 裏口のタマをひらりとかわし、理容室の裏側に出る。
 すると……。

2階への入り口

 こういう構造になっているのだ。
 ちょっと、いや大分変わっている。

この看板が目印!

 せっかくなので、「特製ビーフシチュー」をいただくことにした。

水槽がある

 まずは自家製食前酒が出てくる。
 なんの果実だったかな……。
 度数はそんなに強くないので、お酒が弱くても大丈夫。

「特製ビーフシチュー定食」(900円)

 具がごろごろ。ビーフが大きい!
 やわらかく煮込まれたお肉は、ごはんとの相性もぴったり。
 自家製食前酒、ごはん、サラダ、果物、コーヒー付き。

 家庭的な雰囲気で、テレビで「徹子の部屋」をやっていた。
 なんだか妙になごむ……。

 ランチは11~14時の営業で、近所のビジネスマン御用達の模様。

「理容室の通り抜けに勇気がいる」という人は、遠回りにはなるものの、裏側に回って2階に上がることもできるのでご安心を。

 でも、タマにも会えるかもしれないので、できればぜひ通り抜けていただきたい。

 ちなみに店主の藤井さんは、自宅には帰らず毎日理容室で寝泊まりしている。
 なぜなら、「タマがかわいそうだから」

「だって1人にするのかわいそうじゃない」

 夜中にタマが「外出たいー」というと、2時でも3時でもドアを開けてあげるのだとか。
 自宅に帰るのは年に数えるほど。
 お正月も、自宅で新年を祝ったら、すぐにタマの待つ店に戻るという。

 何よりもタマの生活を第一に考えている、心優しいお父さんなのであった。

タマのいるお店「藤井理容室」
住所 東京都千代田区神田須田町2-12
勤務時間 気まぐれ

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梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu

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