人を好きになる気持ちを大事にして欲しい

――恋愛とは人生を左右するほど大切なものだと。ただ、最近、恋愛しない人が増えてると言われています。

 ほんまに人を好きになったことがないとか、人を好きにならないっていう人がいるって、確かに聞きますよね。

 もちろん、それでもいいと思います。ただ、今そう思っている人にも、必ず好きな人に出会うときが来るはずです。

 そういう人と出会ったとき、自分がどう変わってしまうのか。人を好きにならんとか大口叩かんほうがいいぞ、と。

「あんなこと言ってたわ、俺」って人を好きになってから後悔するから、と言いたいですね。

――人に与える恋愛の影響は大きいと。

 圧倒的です。嘘みたいに夢中になって、服も買いに行くから。買いに行く店も気にするようになるから。絶対に髪型も気にするようになるから、って。

 人を好きになる気持ちを大事にして欲しいですね。

福徳秀介(ふくとく しゅうすけ)

1983年10月5日生まれ、兵庫県出身。関西大学文学部卒。2003年に同じ高校の後藤淳平とお笑いコンビ「ジャルジャル」を結成。20年「キングオブコント2020」で優勝を果たす。絵本『まくらのまーくん』(タリーズコーヒージャパン)『なかよしっぱな』(小学館)では、いとこの北村絵里さんが絵を、福徳さんが文を担当。公式YouTubeチャンネル「ジャルジャルタワー」では、毎日ネタを投稿。新YouTubeチャンネル「ジャルジャルアイランド」ではさらにパワーアップしたネタを配信している。本作品『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館)が小説デビュー作となる。

JARUJARUTOWER https://jarujaru.com/
[ジャルジャル公式YouTubeチャンネル]
ジャルジャルタワー https://www.youtube.com/user/comtekaigi
ジャルジャルアイランド https://www.youtube.com/channel/UCf-wG6PlxW7rpixx1tmODJw

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

福徳秀介 小学館 1,500円

大学2年生の僕は、入学前に憧れていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送っていた。日傘をさしていつも人目を避け、青春を謳歌しているグループを妬ましく思う。友人はひとり。銭湯掃除のバイトと孤独な大学生活だけの毎日。ある日、大教室で学生の輪を嫌うように席を立つ凜とした女子に出会う。その姿が心に焼き付いた僕は、次第に深く強く彼女に惹かれていく。やっとの思いで近づき、初デートにも成功し、これからの楽しい日々を思い描いていたのだが……。ピュアで繊細な「僕」が初めて深く愛した彼女への想いは実るのか。そして、僕の人生の、その先は……。

2020.11.15(日)
文=高本亜紀
撮影=平松一聖