美食王国の外食産業の苦難は続く

 しかしながら、まだまだストップされているのが外食、観光やサービス、エンタテインメント産業。

 4月26日(日)の首相令によると、美術館などは5月18日(月)から再開できますが、美容院や飲食業界にいたっては6月1日(月)が目安に。

 2カ月の休業で限界だというのに、あともう1カ月も無収入の生活を一体誰が保証してくれるのか。

 逼迫した状況下で経営者たちは、途方に暮れ、各地の行政相手に抗議運動を続けています。

ミラノ北東部からローマまで 市長が歩く!

 そんな政府の対応に業を煮やして、首都ローマまでひとりで歩いて抗議に向かった市長がいます。

 距離にして645キロメートル!

 ミラノ北東、ノヴァラ県の小さな町ディヴィニャーノに住む、市長ジャンルーカ・バケッタ氏です。

 彼はレストランのオーナーでもあり、「小さな市町村の声とミクロ経営者たちの絶望を届けるため」に、5月2日(土)に徒歩で自宅から出発しました。ローマに到着したらコンテ首相に直訴するのだそうです。

 道中、見かねた人が幸いにも自転車をプレゼントしてくれて、バゲッタ市長は毎日、ビーチサンダルを履いてペダルをこいでいます。

 この破れかぶれともいえるバケッタ市長の行動を他人事とは思えないのでしょう、イタリア国民は温かい目で見守り、市民は宿なども提供しています。

 同時に、全国で激しくなっていく抗議運動を受けて、政府は5月18日(月)から再開を検討しています。保健省が14日(木)に発表する感染度合いのモニタリング結果で判断するそうです。

国を無視? 自治州は勝手に全店オープン!

 さらに!!

 北東部のアルト・アディジェ自治州が、5月11日(月)から独自に全てのショップや飲食店のオープンに踏み切り、全国を唖然とさせました。自治権がこんなところで発揮されるとは……。

 ミラノのある隣接のロンバルディア州は、お店のオープンについてかなり懐疑的にみています。

 感染拡大のぶり返しがないことを祈るばかりです。

2020.05.17(日)
文・撮影=大平美智子