「ロイヤル・アッシャー」銀座本店を覗けばダイヤモンドのチューリップが揺れ大聖堂や灯にインスパイアされたデザインが壮麗に煌めく。
今、ジュエリーで時空を超え芸術と文化と花の国、オランダへ。
チューリップで
黄金時代へ時間旅行
◆FLORIADE Collection
17世紀はオランダの“黄金時代”と呼ばれ、経済・文化・芸術、すべての分野で発展を遂げた時期。首都・アムステルダムは当時より世界有数の「ダイヤモンドの街」として栄えてきた。
ロイヤル・アッシャーはかの地で1854年に創業。後に定番となる“アッシャー・カット”を開発した3代目のジョセフは、1908年、史上最大のダイヤモンド原石“カリナン”のカットに成功。
歴史に名を刻んだ。また本社前にはかつて工房や店が軒を連ねた“DIAMANTSTRAAT(ダイヤモンド通り)”が現存し、栄華を物語っている。
一方で、“オランダ黄金時代”に人々を熱狂させたのが「チューリップ」だ。16世紀にトルコから伝わり、お祭りなどで貴族から庶民までを魅了。 “黄金時代”になると投機として高値で取引されるようになる。
そして“チューリップバブル”が勃発。希少な品種の球根1個が、何と邸宅1軒分まで高騰し、破産などの悲劇も続出したという。
お騒がせな花だが、それも美しさゆえ。この冬、ダイヤモンドのチューリップで17世紀のオランダ黄金時代に想いを巡らせてみてはいかがだろう。
FLORIADE Collection
新作「フロリアード・コレクション」は、国の歴史をも動かしたチューリップがモチーフ。花を側面から見た優美なデザインと、真俯瞰から捉えたダイナミックなデザイン、どちらも捨てがたい。
Edit,Styling & Text=Mami Sekiya
Photo=Kaz Arahama
Illustration & Art Work=Kanako Sasaki