自分の考えを表明することが大事

 専門の教師(注3)がいる理科の授業体験会もあったので参加してみたら、ボール紙で車を作ることになりました。「こんな感じですか?」と先生に聞くと、「OKだと思ったなら、それで良いですよ。僕の価値観は関係なく、生徒が出来たと思う心を尊重しています」と。

「この道具を使って、車を作り、右上にある銀色の坂を走らせて下さい」というのがお題でした。作り方の説明はなく、それぞれ思い思いの車を作ることになりました。作った車は家に持ち帰るなり、次男に破壊されました……

 その後、全体への説明で、大人は似たような作り方をするけれど、子どもは発想が豊かなので、テープで止める代わりに、ボール紙の隙間とタイヤの真ん中に串を刺して作る子も出てきて、個性的な車が多いと聞きました。幼稚園年長から、毎年、車を作り、進級するごとに使える素材も増え、達成感も味わえるよう。低学年は学期の最後に、先生が作った大きな坂の台を使って、自分の車を走らせる大会があるのだとか。勝敗を争うのではなく、真っ直ぐ、速く走った車を、「どうして速く走ったのか?」と議論するための競走だという説明を受けました。

 参観を終えて、どの教科も遊び心を刺激して学べるように工夫されているのが良いなと思いました。宿題からも感じていましたが、自分の考えを説明して、人と共有するということに重きを置いて授業が進んでいました。息子は自己表現が本当に苦手なので、NYにいる間に、少しでも身に付けて欲しいです。

※注3:理科以外の専任講師は、図画工作、体育、演劇、ダンスがあります。演劇やダンスは週に1回だけなので、先生は幾つかの学校を掛け持ちしています。

Column

NYで子育てしてみました!

息子の幼稚園はマンハッタンのど真ん中! 英語はかたこと、さて……。ほんわかNY子育て記

2012.11.29(木)